前の話
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彼の乗ってくる電車がくるまであと少し。
前髪どうかな
リップ塗ったっけ
スカート長すぎ?
そんなことを考えてるとすぐにきた
学校終わりの学生がぞろぞろ降りてくる
私が乗る電車まであと5分
テキトーに挨拶を交わす
が、それ以上話さない
これが日常
友達以上恋人未満ってやつ
2人で駅の柱にもたれる
沈黙が続く。
ま、いつものことだけど
電車が来るのでホームに向かおうとする
グイッ
急に呼び止められ、ドキドキしている事がバレないようにキツめの返しをしてしまった
少し見つめる
すると向こうはハッとして
プルルルルルルルル
え、まってうそ
ガタンゴトンガタンゴトン
電車、行っちゃった・・・
少し強めのパンチをお腹めがけて1発
あ、みぞおちに入った?
まぁ自業自得だけど
真面目な顔で言うもんだから不覚にもドキっとしてしまった
長い沈黙のあと。
視界がぼやけてくる
そんなの、返事はひとつしかない
言う前に嬉しすぎて抱きついちゃったけど
この後、電車がくるまで私達はずっと手を繋いでいた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。