第7話

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2018/09/27 09:48

 ーーそして、なぜ成仏せずに私がここにいるのか。

 そのことも、ちゃんと思い出した。
麻由理
あぁ、あなた!
代わってあげられたらどんなによかったか。
私が助けてやれなかった

 泣きわめく麻由理。そんな彼女に、前田先生はそばへ行くと優しく語りかける。
先生
麻由理さん。
そんな……自分を責めちゃだめよ
麻由理
先生……
先生
あなたはなにも悪くないわ。 
あなたさんは運が悪かったのよ

 麻由理を涙ながらに慰める先生。

 私はその様子を眺めながら、惜しむように目を伏せた。

 それから、ぽっかりとあいてしまっている麻由理の隣にもう一度腰かけた。そこは、生きていたら私が座る場所だった席だ。

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