次の日、車でママと買い物へ。



デパートはすごく混んでいて。



でも今は家で1人でいるより、



知らない人でも沢山いてくれた方が、



気持ちが紛れるわけで。



ママは買いたいものがあるからと、



すぐにどこかに行ってしまい、



人混みの中、１人でふらふら歩く。



すると、ひとつのスニーカーに目が止まって。



大毅のプレゼント、これにしよう。



ママとの待ち合わせ場所へ。

一目惚れしたスニーカーだったのに…



絶対大毅に似合うと思ったのに…



帰ってから、



【スニーカー　プレゼント　意味】



で検索。



すると、海外ではこんな意味があるらしい。



『この靴を履いて私の元から去ってください』



でもその一方で、



『新しい一歩を踏み出す』



『新たなスタートを切る』



という意味もあるとか…



なんだ…



すごくぴったりなプレゼントじゃん。



なんだか泣けてくる。



数ある商品の中で、



スニーカーに目が止まったこと。



やっぱり、私たちって…



【重岡大毅　足　サイズ】



検索する。



大毅ママに聞かなくてもすぐわかって。



他にも大毅の事いろいろ書いてあって。



ほとんど私が知らない事だ。



私より、大毅の事知ってる人が、



この世の中には沢山いるんだ。



私、彼女なのに、



大毅の事なら知ってるって、



とんでもない勘違いしてたんだ。



車でデパートへ向かう。



あってほしい気持ちと、



売切れててほしい気持ち。



もし売切れで手に入らなかったら、



大毅との事、もう一度、考え直す？



店舗に着く。



店員さんへサイズを伝えると、



最後の一足だと持ってきてくれた。



今度はなんか笑えて。



やっぱり…そうゆう事だよね…



ツアーが終わったら、



あの手紙と一緒に渡そうかな…



ツアーが終わるのは５月。



あと４ヶ月…



その夜、大毅からメッセージが来て。



“ツアー初日、大成功！！”



笑顔の写真も一緒にきて。



５月のツアーが終わるまで、



手紙を渡すのはやめようと思った。



スニーカーはバレンタインに送ろう。



２月中旬のツアー日程を見ると、



ちょうどその頃は忙しそうで…



少し後ろにずらして、宅急便で送った。



“大毅へ
バレンタイン、過ぎちゃったけど…
かわいいスニーカー見つけたから送るね。
サイズ、合わなかったらごめん…
その時は部屋にでも飾って笑
では、引き続き、ツアーとお仕事、頑張ってね！”



すると何日かした日の夜、大毅から電話が。

ダメだ…今はだめ。



大毅ツアー中だよ！

そんなの…私もだよ。



私だってそうだよ！

電話が切れると、



ピンポーン



家のインターホンなって、

下からママの驚く声が聞こえる。



えっ！？うそでしょ！？！？



心臓がバクバクしてきて。



急いで下へ降りると、

そこには、



プレゼントしたスニーカーを履いて、



赤いマフラーをした、



ニッコニコの大毅が立っていた。