第9話

重岡大毅
1,684
2021/07/29 12:35
由美
由美
あなた!こっち!

レインボーカフェで由美と待ち合わせ。



同窓会から1週間が経っていた。

あなた
こないだはごめんね…
由美
由美
ええよ!気にせんと。
あなた
ありがとう。

店員さんを呼んで、アイスティーを頼む。
あなた
こないだは2次会とかあったの?
由美
由美
2次会もあったなぁ、
私は行かへんかったけど。
あなた
ごめん…
私が先に帰っちゃったから…
由美
由美
それは関係ないで。
どっちにしろ行かへんかったと思うし…
あなた
そなの?
由美
由美
直哉がな…
あなた
直哉?
由美
由美
私な、実はな、中学の時から直哉の事が好きやってん。
あなた
うん…
由美
由美
驚かへんの?
あなた
同窓会の時にね、ジャスミンから聞いたんだ。卒業式の日、由美が直哉に告白した話も。
由美
由美
ずっと言えんくてごめん…
あなた
もう昔の話だし大丈夫だよ。
由美
由美
卒業式の日な、直哉とシゲが話してるの聞いてしもて…
あなた
うん。
由美
由美
直哉がシゲに、あなたの事どう思ってるかって。
あなた
えっ?
由美
由美
シゲはな、あいつはただの幼馴染やねんて。
あなた
そうなんだ…(なんか胸が痛い…)
由美
由美
そしたらな、自分はあなたの事が好きやから告白しようと思うって言うてな。
あなた
うん…
由美
由美
シゲは、お前の好きにしたらええって言って、どっか行ってしもたんよ。 
で、私な、告白するつもりなんてなかったんやけど、気づいたら直哉のところへ行って好きやって。
あなた
うん…
由美
由美
振られるのは当然わかってたで。
でもな、これで直哉はあなたに告白できなくなるんちゃうかって…
あなた
うん…
由美
由美
ひどいのはわかっててん。
でもな、止められへんかった…
振られても、高校違うし、すぐに忘れられるて思ってたんよ。
あなた
そっか…
由美
由美
でもな、悪いことしたっていう罪悪感から忘れられんようになって…成人式の日、直哉に謝ろうと思っててんけど、ずっとあなたの事見ててな…まだ好きなんやな〜って思ったら言えへんかった。
あなた
………
由美
由美
同窓会の日、あなたを送ってたってジャスミンから聞いて、複雑やけどホッして。
やけど、帰ってきた直哉の様子がおかしくてな。
あなた
えっ…
由美
由美
ジャスミンから聞いたで。
彼氏おるんやろ?なのに送らせたん?
直哉の気持ち気づいてるよな。
あなた
………
由美
由美
ごめん…
こんな事言うために誘ったんやないのに…
あなた
ううん…
由美
由美
直哉な、戻ってきたと思ったらお酒たくさん飲みだして、歩かれへんようになって。
2次会行かへんかったんは直哉を送って行ったからなんよ。
あなた
そんなに…
由美
由美
タクシーで直哉の家まで行ったけど、鍵も開けれんほどの状態でな。
あなた
うん…
由美
由美
だから、鍵開けて、ベッドへ寝かせたんやけど…その時な、私をあなたやと思って抱きしめてきてな。
あなた
えっ…
由美
由美
私もな、それでもええって思ってしまって…でもすぐに、ごめんなって…やっぱりあなたじゃないとあかんて。
あなた
………
由美
由美
あなたは彼氏とは長いん?
なんで教えてくれなかったん?
あなた
それは…

大毅なんだって言ってもいいよね…



ごめん大毅…

あなた
あのね、大毅なんだ。
由美
由美
えっ!?
あなた
彼氏、大毅なの。
由美
由美
シゲなの?
あなた
うん…付き合ってまだ4ヶ月くらいかな…
話さなくてごめん…
由美
由美
そっか…直哉は知ってるん?
あなた
うん。直哉に送ってもらった時うちの前に大毅がいて。
由美
由美
そやったんか…
あなた
たまたまママと大毅の家に遊びに行ったら、大毅が帰ってきてね。それで、告白されたんだ。
由美
由美
シゲなら直哉の入る隙間あらへんね…
あなた
えっ?
由美
由美
2人、お似合いやで、昔から。
あなた
そうかな?
由美
由美
そや!今度シゲに久しぶりに会わせてーな。ご飯でも食べ行こ!
あなた
そだね!行こ行こ!聞いとくよ!

それから、



大毅との4ヶ月分の出来事を由美に話した。



由美は興味津々で、たくさん話を聞いてくれた。



それがすごく嬉しくて、楽しくて。



あっという間に時間が過ぎて行った…

あなた
なんかごめんね、私の話ばっか…
由美
由美
気にせんと!初めての彼氏やんか!
またいつでも話聞くで!
あなた
ありがとう!
由美しかいないからまたお願いします!

そう言ってバイバイした。



大毅にメッセージを送る。



“大毅に謝らなければならない事があります…電話ください!”



すると、



“なんやねん、今電話できへんからメッセージで送って。”



“やだ!電話して!”



“ほんまめんどくさいわぁ…遅くなるで!”



“待ってます!”



電話が来たのは午前1時…



私は…



夢の中にいた。



次の日、会社の昼休み、



近くの公園に行って大毅に電話をした。

大毅
大毅
はい…

とっても不機嫌で。
あなた
あなたです…
大毅
大毅
お前、待ってるって言ったよな…
あなた
あっ…あはは…寝ちゃった!
大毅
大毅
俺がどんだけ気になったかわかるか!?
寝られへんかったわ。
あなた
ごめんごめん…いや、大した事じゃないんだけど…
大毅
大毅
なんやねん。
あなた
あっ、その前にさ、
直哉に連絡してくれた?
大毅
大毅
いや…まだしてへん…なんで?
あなた
やっぱり、しなくてもいいよ!
大毅
大毅
なんで?
あなた
昨日由美と会ってね、由美にお願いしたから大丈夫!(うそだけど…)
大毅
大毅
そうか…わかった。
あなた
でね、謝らなきゃいけない事ってね…
大毅と付き合ってる事、由美に話しちゃったの。
大毅
大毅
………
あなた
ごめん!ジャスミンから私が彼氏いるって聞いたらしくて…親友だし隠せなかった…ごめん…
大毅
大毅
そうか…仕方ないけどほんま由美だけやで。由美にもちゃんと口止めしとけよ。
あなた
うん!わかった!
大毅
大毅
ったく…
あなた
なにそれ!
大毅
大毅
約束やぶりやがって。
あなた
自分だってジャスミンに言ったくせに!
大毅
大毅
それはやなぁ!…もうええわ。
あなた
あとね、由美が大毅に会いたいって言ってたよ!ご飯でも行こうって。
大毅
大毅
そやな…時間取れたら行こか!
あなた
うん!大毅!大好き!
大毅
大毅
おまっ!
あなた
大好き大好き大好き!
大毅
大毅
もうええ!
あなた
照れてるの?
大毅
大毅
はぁっ!?照れてへんわ、ボケ!
あなた
こっわぁ〜…でも好き!
大毅
大毅
お前、ほんまやめろよ!
あなた
大毅も言って!好きだよって。
大毅
大毅
言わへん!てか、お前キャラ変わりすぎ!
あなた
うん!めんどくさい奴になったもんで…えへっ
大毅
大毅
………
あなた
ねぇ、言って!切らないよ!言わないと。
大毅
大毅
なんて言えばええねん!
あなた
あなた好きだよ!って。
大毅
大毅
あなた…す…
あなた
あっ!!やばい!休憩終わっちゃう!
大毅
大毅
なんやねん!お前!!嫌い!!嫌い嫌い嫌い!
あなた
ごめん!じゃ、切るね!またね!

うふふ…



今回はしてやったぜ!!



というか、



怒られなくてよかったぁぁぁ!



仕事に戻ろうと、ベンチを立つ。



いつもの公園のはずなのに、



噴水や、お花がキラキラして見える…



これは、恋のせい!?



恋ってステキー!!!



なんて、私の頭の中はお花畑状態で。



ずぅーっとこの幸せが続く事を祈ってた。

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