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第2話

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2020/05/02 18:08
you
you
……だめだ、難しい…、







あの後、私は社長に逆らえるはずもなく返事をすると、タブレットと共に「準備しとけ」と言葉をかけられた。どういう意味か分からなくて訊ねると、どうやら私は踊り方を男に合わせなければいけないらしい。勝手に決められたのに何故私はこんなことをしなければいけないのか。誰か教えてくれ。






you
you
…ったく、どうすりゃいいの…?






今までしなやかさを意識して練習していたダンスはもっと全体で見た時の迫力なんかを気にしなくちゃいけないし、今まで上に広げていた声域は、今度は下に下げていかなきゃいけない。
ても、うちの事務所もレッスンは男女に別れているのでどうにも出来ない。と思ったら、この為のタブレットだったようで。中には、今までのレッスン内容が全て(らしい)撮って保存されていた。
こんな事務所の命みたいなものを私なんかに渡していいのだろうか。……駄目じゃん。
そう思うと、私に無駄に大きな期待がかかっているような気がして、私は直ぐに練習に移るしかなかった。







you
you
はぁ、はぁ、はぁ……、






駄目だ、もう1回。なかなか前の踊り方が抜けない。やっぱり、3年間もの間ずっと練習し続けていたダンスはたったの7、8時間では抜けてくれないらしい。困ったなぁ、どうしよう……。
そんなことを考えながら、タブレットを見て、踊って、タブレットを見て、踊って……、そう繰り返していると、ふいに扉が開いた音がして、そちら側から声が聞こえた。






HOSHI
HOSHI
…あなた?何でこんな遅い時間まで……
you
you
あ、スニョンオッパ、






普段から(多分)仲良くしているスニョンオッパ。私が自主練をしていた時に同じ練習室を使ったことがあって。そこから仲良くなり出した……と、個人的には思ってるんだけど。





HOSHI
HOSHI
そう言えば、デビュー取り消しになったって…
you
you
うん、そうなの。……それで、SEVENTEEN PROJECTに参加させるって言われて。それでこんなに練習。
HOSHI
HOSHI
…え?それ、俺も参加するんだけど?男女混合なの?






まさか、もう男子の所まで話が広がってるとは思わなかった。人間って怖いなぁ。
SEVENTEEN PROJECTは私が紅一点らしく、それをオッパに伝えるとオッパは細い目を大きく……大きく見開いていた。それにしても、オッパと一緒に出来るとは。心強い仲間がいて安心した(多分)。





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