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第1話

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2020/05/02 18:08
you
you
失礼します……








練習中に、職員の人に呼ばれた。何かと聞けば、社長が話があるらしく。
十中八九デビューがダメになった、とかなんだろうなぁ…と考えながら社長室のドアをノックすると、社長が難しい顔をしながら部屋の中をうろうろ歩き回っていた。ということは、そういう事だろう。
……まあ、最近オンニ達の雰囲気も暗かったし、宿舎からオンニ達の物が少しずつ無くなっていってたし、そんなに驚くことではないな。






社長
……今日ここに、お前を呼んだのには色々理由があってな、
you
you
大丈夫です。覚悟は出来てます。
社長
デビューの事だが…白紙になった。
you
you
……そうですか、






意外にも、涙は出なかった。3、4年も頑張ってようやく手に入れた……はずのデビューだったのに、1粒も。まあ、薄々気付いていたから、かな。
元々7人組でデビューするはずだったのに、1人、また1人と少なくなっていって。最終的に私とオンニ2人が残ったけど、白紙になった、ということは2人とも辞めていったのか。
そういや、リノオンニがもうすぐ日本にいる両親に会える、と言っていたのはこういう事だったのか。

……本当は悲しいはずなのに、そんなことを冷静に考えられる自分が少し怖くなった。





社長
スジンとリノが、勉強に集中したいそうでな…まあ言い訳だろうが。
you
you
……それを私に伝えられましても、
社長
まあとにかく、そういう事だ。……あと、






社長はそこまで言うと、口を閉ざした。何か言い難いことでもあるのか。……デビュー白紙を伝えられたんだったらそれ以上に伝えにくいことはないだろ。





社長
お前を、SEVENTEEN PROJECTのメンバーに入れようと思う。
you
you
はい……は?






あったわ。普通に。
ここの社長……ハン・ソンスは、何を考えているのかもよく分からず、アイドルをよく放置するような適当な人間だとわかってはいたけれど、今回は本当に意味がわからなかった。





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