撮影の日
近くにメンバーがいるという心強さから順調に撮影は進んだ。
でも俺は耳を疑った。
カメラマン
「あなた脱ごうか」
ヌードの話やない
なのになんで?
カメラマン
「小瀧くん、撮影終わり!ありがとうな!」
カメラマン
「早くあなた脱げ!全裸になったら浴衣だけ羽織ってな」
カメラマン
「君には関係ないことだ!終わったならさっさと出てけ!」
カメラマン
「………」
マネージャー
「小瀧。帰るよ。撮影は今日だけじゃないから」
カメラマン
「今日は終わりでいいから。あなたこっちきて」
あなたが恐る恐るカメラマンに近づくと
バチーンッ
何かを叩く音と倒れる音が聞こえた。
その後、カメラマンだけフランス語で何か怒鳴って出て行った。
あなたのマネージャーさんは慌ててあなたに駆け寄り氷水で顔を冷やしてあげていた。
あなたのマネージャーさん
「小瀧さんのことはあなたから聞いています。お見苦しいところをお見せしてすみません」
マネージャー
「ちょっと待ってください。小瀧はこれで納得できるの?」
あなたのマネージャーさん
「見ちゃいましたよね…。撮影が終わるまで…終わるまででいいんです!待って貰えませんか」
マネージャー
「小瀧!」
マネージャー
「小瀧!すみません。柚木さん、もし来れそうだったらここに来てください」
マネージャーが渡したのはここから近い個室居酒屋。
そこは居酒屋だけど大事な話をする時とかはここに来ることがある。
あなたのマネージャーさん
「あなた行くの?」
あなたのマネージャーさん
「小瀧さん、あなたのことはほっといて」
あなたのマネージャーさん
「わかった。ホテルで待ってる」
マネージャー
「すみません。名刺貰ってもいいですか」
マネージャーが何を考えてるのかは分からなかった。
俺のスマホに後での文字。
興奮してるのを落ち着かせてあなたを支えて控室に戻った。
あなたのマネージャーさんはポカーンとしていたけど
--控室--
マネージャーと俺は隣の控室に行って着替えながら
マネージャー
「思ったより最悪な展開だったな…。柚木さん話してくれそう?」
マネージャー
「撮影終わるまでは動けないことだけわかって」
あなたから連絡をもらいさっきの部屋に戻った。
やっぱりあなたの私服は黒一色。
さっきまで一緒に撮影してたモデルとは思えなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。