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第48話

*Final*
「皆さん忘れ物は無いですか〜?



降りた人から解散してくださ〜い」




先生の声で皆立ち上がる。




私は佐藤の黒いパーカーを腕にしまって、




荷物の準備をする。




目的地に着いた。




久しぶりのこの街に少しだけ安心感を抱いた。




タイミングを見計らって私もバスの通路に並ぶ。




窓からはそそくさと家に帰って行く子や




友達が降りてくるのを待っている子もいる。




みんな疲れたような楽しそうな顔。











そういえば、夏休みが始まるんだ…




そしたら私、佐藤と全然会えなくなっちゃうじゃん、




やだ、そんなの嫌だよ…




でも佐藤の悔しいくらい綺麗な横顔からは




相変わらずなにも読み取ることが出来ずにいる。














バスのステップに足を乗せて地上に降りる。




合宿の場所よりもずっと暑くて




あっという間に汗が吹きでてきた。









そして私は、彼が降りてくるのを待っている。

















「さ、佐藤!これ……!」







私は地上に降りた佐藤に黒いパーカーを差し出す。




すると一瞬で奪われるパーカー。




いや、いやいやいやそんなすぐ取ります??




普通もうちょっと優しく、こう……ね?







あ、こいつ普通じゃないんだった…←




私はまぁいいやと思ってクルッと体を裏返したその時だった。
















「待て」











佐藤の声がして、一瞬で体が強ばる。




まるでロボットみたいに体を元に戻す。


















「さっきのはその………悪かった」




















………え??




さっきのって、バスでのこと、だよね?




そんなの、いいのに。



謝らなくたって全然平気なのに。









「でもお前にも非はある。」











「はぁあ???」








優しいかと思えば急にいつものドS悪魔になるから、ついていけない。









「お前が色んな奴に、尻尾振りすぎなんだよ





あの幼馴染とかクラスメイトとか





すーぐバカみたいな顔して。






お前が俺の彼女の自覚足りて「なにそれ」











気づいたら私は佐藤の言葉を遮って




色んな言葉が口走っていた。










「なにそれ!そんなの佐藤だってそうでしょ?!




私の代役彼氏のくせに他の女の子にばっかり優しくして!!




ご飯の時だって、自由時間の時だって、海の時だって、、誘ってくれたら良かったじゃん!




なのにいっつもいっつも私を1人にしてさ!




私ばっかり女の子たちに醜い嫉妬して




私ばっかり傷ついて




私ばっかり………ドキドキしてさ、!!もう最悪!!




…こんなこと、言うつもりじゃなかったのに。ほんと、最悪…」












「………」













「自分でも、自分が分からない…




もうさすがに引いたでしょ?私のことなんかもう、捨てた方がいいよ。




こんな風にならないための、代役だったんだから。




いい加減私を、、解放してよ、」

















通り過ぎて、帰って行くのかと思った。




だけど気が付いたら、佐藤に抱きしめられてた。
















「………お前の嫉妬も




お前の傷も




お前のドキドキも

















全部、お前だけじゃねぇんだよ」













「……………は?」













「お前が他の男のこと見るだけで




俺だってイライラしてんだよ。




お前が近くにいると緊張するし、




お前が拒んだら傷つくんだよ。















………………そんくらい分かれって」















「…………そ!そんなの急に言われたって…理解できないっていうか……!」














「あーもうほんと馬鹿。お前ってマジで馬鹿」











「な、何よ!!私だって今、頑張って思考巡らせてるの………!









でも私、嘘つき女だから。




皆に平気で嘘つける、最低女だから…」




















「お前を嘘つき女にしない方法、















1つだけあるけど、教えてあげようか?」














「な、何よ……?」















すると佐藤は私を少し離して、私の顎を持ち上げる。










佐藤の瞳が、キラキラと私を見つめる。




























「………俺の、ホンモノの彼女になれ。」



















その瞬間、いつかの花火が私の胸に打ち上がったみたいに。





全身が高鳴って、




目眩がする程世界が輝いた。












「………ッ はい…もちろん…!!」















「もう二度と俺から離れんな。」








「……はい!!」


























「………お前が好き」






















彼の口から発せられるその言葉たちはあまりにも眩しすぎて。






その意味を理解したいけど、






紐解きたくないような。






彼の言葉を、この瞬間を、瞬間冷凍できたらいいのに。





一生に、持って行けたらいいのに。















「私も、大好き」
















すると視界が暗くなって、




長い前髪が触れたと思ったら




奪われた唇。









リップ音だけが、やけにゆっくり長く聞こえてしまうのは、何故だろう。








「ちょ、皆見てるよ…!」












「んなの知らねーよ」













佐藤は何度も何度も、私に唇を重ねた。






その度に私は彼の不器用さを





彼の優しさを





今この瞬間の幸せを、噛み締めた。























ねぇ王子様










私を選んでくれてありがとう。










私今、世界で1番、幸せ。











その気持ちが、一方通行じゃないということが、何より嬉しくて。







好きな人が、同じ気持ちでいてくれるって












こんなにも嬉しいことだったんだ。












佐藤こそ、私から二度と離れたりしないでよね。


















私はもう、"代役カノジョ"じゃない。




















ホントの彼女に、なったんだから。










✩.*˚Fin˚*.✩

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りんか
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SexyZone LOVERS 💍 健人くんとの恋が始まるよーー!!!
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