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第10話

- nine -(変更あり)
✩.*˚



「返せよ」




そう言った佐藤の目は笑っていなくて




菊池の目をじっと見て逸らさない




流石の菊池も突然の彼氏登場に




たじろいだのか




「悪ぃ」




問題集を私に押し付けるようにして




教室を出た










な、なんか落ち着かないっていうか




ぎこちない雰囲気が私と佐藤の間に漂う




「今日、屋上で食べるぞ」




誰にも聞こえないような声で




佐藤が耳元で囁く




不意打ちでそんな声されたら




誰でもドキッとしちゃうでしょう??




佐藤は私の腕を強引に掴んで




屋上への階段を上る




2人とも一言も喋らずに




屋上に着いた










「あ、あの…」




佐藤が一向に喋り出そうとしないから




私が口を開く




「さっきは、ありがとう」




ソワソワしながら佐藤を見ると




いつも毒を吐くその口が




キュッと結ばれていて




本当に親切で助けてくれたのかな、なんて




思ってしまった




あれが彼氏と彼女を演じるためだとは




分かってるけどさ、その、ね




コイツも一応王子様ではあるから




あんなことされたら素直に嬉しい




それにしても何も言わない佐藤。




私は不審に思って




佐藤の無駄に整った顔を覗き込む




するとプイっと逸らされる視線




もしかして、




「照れてる?!」




興奮した私の声に




「あ?」




と言って今度はしっかりと




私の目を捕らえる




覗き込んだままだったその距離は




恋愛経験ゼロな私には不自然な程に近くて




今度は私が目を逸らす番になってしまう




「なに、照れてんの?」




そう言ってニヤニヤ笑う偽王子




「照れてないし、」




そう言って佐藤に背を向けて体育座りをする




このドSめ…!




「お前ってほんといじりがいがあるよな」




そう言って座り込んだ私の頭に肘をつく




「ひ、ひどい!」




私は頭から肘を振り落とすと同時に




「でも」




という声が聞こえる














「お前を虐めていいのは、






俺だけだから」














7月の風が




私の髪を優しく撫でた



✩.*˚

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りんか
りんか
SexyZone LOVERS 💍 健人くんとの恋が始まるよーー!!!
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