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第38話

- thirty seven -
✩.*˚



走りながら誰も居ない、薄暗いロビーに到着。




「ってまだ来てないじゃん…」




早く来いって言ったのどっちよ…!




仕方がないから私はソファに座って佐藤が来るのを待つ。




受け付けの所にある時計がチクタクと1秒おきに時を刻む。




まだかなぁあいつ。




私が来て5分くらい経った時、






「よっ」






暗がりに見えたのは黒いパーカーを羽織ったあいつの整った顔。




髪はドライヤーをしていないのか、水気を含んでいて前髪は若干オールバック状態。




見慣れない偽王子の姿に、




胸がドクンと音を立てる。




「よっじゃないわよ!




こっちは急いで出てきたのに…」




私の前にある、低いテーブルに腰掛けて足を組んでる佐藤。




無駄に長い足がムカつく…←




「で、今日はなんの用なの」




佐藤は組んでいた脚をゆっくり解いた






「お前を鍛える」






「はぁ??何言って…わわ!!」




急に近づいてきた佐藤の顔。




私との距離は、わずか10センチ。




「な、何…?」




私は男の人とこんなに近づいたことなんかなくて、




顔が赤くなっていくのが分かる。




「お前、こんなんで恥ずかしいんだ、笑」




それに比べで全く動じない佐藤。




私は悔しくなって




「は、恥ずかしくないもん!」




通用するわけが無い言葉で強がる




「ふっ分かりやすすぎ。




こんなの、好きじゃなくても




男ならいくらでもできるから」




「……………っ」






途端、佐藤の目の色が変わるのが分かった。






「そーやって誰にでも近づけてんだろ?」






すると佐藤は何かのスイッチが入ったかのように




どんどん距離を詰める。




テーブルに座っていたはずの佐藤が




段々近づいてきて、ソファに2人分の体重がかかる。




少しずつ沈んでいくソファ。




肩に触れた、彼の男らしい腕。




ジリジリと近づく佐藤の顔を拒むことが出来ないのは、




きっと私が、




彼に惹かれてる証拠。




何してんのって、やめてって




怒鳴れるのに、怒鳴れたはずなのに、




佐藤が、何も言わないから。




馬鹿じゃねーのって言ってくれないから。




私だって意味がわからない。




佐藤の行為に隠された、真意が分からない。




分からないし、分かりたくない。




分からないままでこの時が閉じ込められるのなら、




分からないままでいい。




触れそうで触れない唇のもどかしさが




絡み合う視線の愛おしさが




近づく度に跳ね上がるこの胸の単純さが




きっとあなたには分からないでしょう?





















ねぇ王子、あなたは今、何を考えているの?



✩.*˚

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りんか
りんか
SexyZone LOVERS 💍 健人くんとの恋が始まるよーー!!!
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