第5話

Inpatience
332
2019/06/20 13:30
勝利side
SHORI
SHORI
ん、どした…?あなた?…あなた!?
SHORI
SHORI
…息はしてる。とりあえず、、、どうしよ、あなたは吸血鬼じゃないから、何すればいいかわかんない、、
何をすれば良いか分からず、手を握っておく、という頼りない結論に至ってしまった。
SHORI
SHORI
(あなたの手を握る)
俺が急にあんなこと言ったからだよね、、もっとちゃんと考えれば良かった。その上、変な発作起こしてあなたのこと困らせちゃって…俺最低だな…でも、あなたの反応があまりにも可愛いかったから…我慢できなかった。ごめんね。
あなた
あなた
し、勝利は、悪く、な、いわ…
目を開きながら話し出すあなたを慌てて制止する。
SHORI
SHORI
ちょっと、喋んなくていいから。そのまま、まだ眠ってて、
あなた
あなた
ん、少し貧血…起こしただけ、だから…心配、しない、で、、
俺が手を握っていることに気づいたのか、あなたが強く俺の手を握り返してきた。
あなた
あなた
ね、勝利、
SHORI
SHORI
なに、どうした?なんか欲しい?
あなた
あなた
あんまり、焦らないで…欲しいの、、
SHORI
SHORI
あなた
あなた
勝利には、本当に居なくなってほしく、、ないから…、しょり、居なくなったら、私、、(息が荒くなる)
SHORI
SHORI
もう、もう喋んないで、悪化するから。今は、黙って見守られてて?俺だって、あなたが居なくなったらどうなるかわかんないよ…
もちろん、急ぐ事は無いと分かってる。ちゃんと許しを貰わないと、条件を満たさないと、あなたと…そんな事はできない。
そういえば前に両親から、血を吸った相手の体調が優れなくなったら、秘技を使えって言われたことを思い出した。手を握ったまま相手への気持ちを心を込めて唱える、だったはず。
俺はあなたを握る手を、より強く、優しくすると、あなたへの想いを唱えた。
SHORI
SHORI
あなた、俺、本当にあなたの事好き。愛してる。俺と初めて会った時あなたは全然驚かなかったよね。むしろ俺の方がびっくりで、こんな人間いるんだ…って感じたことを覚えてるよ。一目惚れ、だったのかな…何度会いに来ても、あなたは振り返ってくれるような素振りは全くなくて。不安だった。だから、あなたがドキドキしてくれるようなこと考えたり、とにかくあなたに、俺の事好きになってもらおうって必死だった。そんな時、あなたが不意打ちにキスしてきた時は、本当に驚いて。やっと堕ちたか、なんてかっこつけた事言ったけど、本当は、すごく嬉しかった。自分で掴み取った恋なんて、今まで無かったからかな、それ以前に、あなたしか好きになったことないし。
少しずつ顔に血色が戻っていくのを見て、ひとまず安心する。
SHORI
SHORI
あなたに会いに来る度に、好きって気持ちが増えていって…俺だけの物にしたいって感じたこともある。今からでも奪い去って行きたいって、2人だけの世界へ行きたいって、何度思ったことか。でも、それぐらいあなたのことが好きで好きで堪らない。さっきだって、自分の気持ちが抑えきれなくなってしまうほど、あなたのこと愛してるんだって、改めて気付いた。本当に、俺はあなたのことが好き。ドキドキするような恋愛がしたい。それを叶えてくれるのがあなただって信じてる。ずっとずっと、愛してるよ。今も、これからも。
あなた
あなた
…勝利
SHORI
SHORI
いつから俺の事下の名前で呼ぶことにしたの?これまで全然呼んでくれなかったのに。
あなた
あなた
もう、勝利のことは下の名前でしか呼ばないって昨日決めたの。………私、こんなに幸せでいいのかな…?
SHORI
SHORI
俺の方が幸せだよ。こんなに美しい姫が隣にいるんだから。
あなた
あなた
私、勝利みたいに大人っぽくて、私の事リードしてくれる人に出会えて…
SHORI
SHORI
あなたも十分大人でしょ?この俺が振り向かせようと必死になるぐらい魅力的なんだからさ。
あなた
あなた
勝利
SHORI
SHORI
ん?
あなた
あなた
あなたの隣から離れることが出来なくなってしまったの…愛してるわ
あなたは起き上がって俺の真ん前に座ると、ゆっくり瞼をおろした。
まるで、俺から降ってくる甘ったるいKissを待っているかのように…
SHORI
SHORI
俺も。言葉だけじゃ伝わらないくらい、あなたに溺れてる。抜け出せなくなっちゃった笑…愛してる。
このまま、2人だけの夢の中へ、沈んでいった。

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