第3話

何でこんな命令なんだよ!!
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2021/12/23 10:45
あなた
じゃあ、まずはチュートリアルも兼ねてボクがダイスを振りますね!
あなた
っと…。
コロッコロッ…とダイスが机の上で転がる。
皆が誰が王様なのか、と動くダイスを言葉もなく熱心に見つめる中で、やがてダイスはある1面を上にして止まった。
あなた
って…これは…。
エース
おいおい、それはねぇだろ…。
デュース
これは…狙ったのか?
あなた
いや違う断じて違う!!
カリム
いやー、まさかあなたが1番始めの王様だとはな!流石あなた!
ダイスが示した数字は、9。
何とあなたがトップバッターである。
あなた
(はああぁぁー!?ここはデュースとかカリム先輩辺りが王様になって「どういう命令をするものなんだ?」「それはですねぇ…。」ってイチャつくよう仕向ける展開でしょ!?何してくれんのさダイスの女神様ぁ~…。)
あなた
(まぁいいや…。2人まで指名出来るし…。)
あなたはそう考えながら、無言でダイスを一振り。
出目は、1。
イデア
えっやだ無言のダイスロール怖い…。
イデアの独り言に答える事はせず、またあなたはダイスを振る。
今度の出目は7。
あなた
(ふぅん…。まぁ、この2人だし、ちょっと煽っても大丈夫かな…。)
あなた
じゃあ、初めての命令、いきますよー!
あなたの言葉を聞き、皆がドキ、と緊張から身体をこわばらせる。
あなた
えー、王様からの命令です!『エース』と『ジャミル』は10秒間ハグする事っ!
エース
っはああぁぁ!?
ジャミル
何だよそれっ!?
フロイド
っははは!何それ面白っ!
アズール
ふふふ、これは…ククッ。
ジェイド
何というか…流石監督生さん、ですね……フフッ。
ジャミル
お前ら…後で覚えとけよ…。
エース
ってかちょっと待てよあなた!何でこんな命令なんだよ!!
あなた
あれっ、言わなかったっけ?
あなた
これさ、元々ボクの故郷にあったゲームなんだよね。
あなた
で、ボクの故郷には魔法も無いし、ゲーム内でまで人を陥れようっていう発想をする人はボク達の年代じゃあ全くと言っていい程いないの。
あなた
だから、こういう命令をする事が多いんだよね!
カリム
へぇ…。あなたがいた世界は平和だったんだな!
ジャミル
今はそういう問題じゃないだろう!
ジャミル
というか、男2人が抱き合う姿を見て何が楽しいんだ!
あなた
そういう姿が面白いんですよ!
あなた
片想いしてる相手とハグさせて進展させるっていうのもたまにしますけどね。
あなた
でも大抵の場合はこうやって嫌がる姿を見てからかいますね!
イデア
性格悪っ…。あなた氏も大概じゃん…。
あなた
(まぁ全部でっちあげだけどね。)
あなた
さっ、早くしてくださいよー。王様の命令を聞けない人は、命令を聞かせる事も出来ませんよ~?
ジャミル
チッ…。
ジャミル
……ほら、やるぞ、エース。背に腹は代えられない。
エース
そっすね…。後で覚えとけよ、監督生。
あなた
ハイハイ。んじゃ、10秒計りますねっ!
あなたは渋々、といった様子で互いの背中に腕を回す2人を見ながら、カウントダウンを始める。
エース
(はぁ…。どうせ抱き合うんなら、ジャミル先輩より…。)
ジャミル
(こんな奴なんかより、俺はあいつの方が…。)
デュース
(……。何だろう。何か、胸がもやもやする…。)
カリム
(ジャミル……。)
あなた
(あ~~イイ!嫉妬バンザイ!誰だよ男の嫉妬は醜いとか言うヤツらは!女のドロドロしたクソ面倒くさい嫉妬よりずっと見ていて気持ちいいわ!)
カウントダウンしながらあなたは偏見に満ち満ちた考えを爆発させる。
あなた
いーち……ゼロ!よし、終わりです!
エース
あ~終わったぁ~…。
ジャミル
今までで最も長い10秒だった…。
フロイド
あー面白かったぁ!後でバスケ部の皆に言いふらそぉw
エース
ちょっフロイド先輩!?
あなた
こら。ケンカしちゃあダメですよ?
ジャミル
誰のせいだと…。
あなた
まぁまぁ。
あなた
さ、これで何となくゲームの流れを掴めましたね?
あなた
それじゃ、次いきましょー!






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どうも、今日通知表が返ってきました、カイです!
さ、いよいよゲームが始まりましたね!
ちなみに監督生が王様になったのは本当に偶然です。女神様どうしたし。
嫉妬っていいですよね。嫉妬する子達は最高に可愛いと思ってまs(((黙れ
さてさて、次の王様は一体誰になるのか。お楽しみにっ!バイバイッ。

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