あなたside
タッタッタ
誰かの足音が聞こえる
でもそんなことどうでもいい
今は1人になりたい気分なんや
高橋「あ!いた!」
『ほっといてや...グズッ』
高橋「そんなんほっとけるわけないやろ?はいっ」
そう言って恭平が投げてくれたんは
『はちみつレモン...』
高橋「好きやろ、それ」
『(コクン)』
高橋「まああなたが思うことも色々あると思うから全部吐き出してええねんで。俺が受け止めたる」
『うん...ズズッ』
恭平の声のトーンは落ち着く
何でも受け止めてくれるような
優しいトーンなんや
『あのな、あなた女の子やからって特別扱いされたないねん。グズッ...みんなに気ぃ使われるんもいややし、みんなの足でまといになるのも嫌なんや...グズン』
高橋「うん」
『でな、なんて言ったらええかわからへんけど...グズッ』
高橋「うんうん」
『きょーへーっ...(号泣)』
高橋「よく我慢したなぁ。よく頑張ったで。シンメの俺が見てるからな、大丈夫やで」
(頭ポンポン)
その手はすごく優しくて
あったかかった
恭平がシンメでほんまによかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!