第110話

大事なもの
7,768
2020/05/02 10:15
廉side


『なんだよ今さらっ...!』













バンッ🚪



俺はイライラしながらホテルのドアを開けた








ピコン



そしたらマネージャーから3件のメール









マネージャー
この質問、今週中に答え考えて
マネージャー
決まったら連絡すること
マネージャー
【今一番大事なものは?】













大事な...ものか




なんやろ






みんな家族とか言うんやろか















俺は家族なんてあなただけでええ





















あれはまだ俺が9歳の頃。






















『今日はクリスマスかぁ!な!あなた!』


あなた「くりすます?」


『サンタさんが来るんだぞー!』


あなた「あなた!さんた!すき!」




子供やったし、うきうきしてた




父さんと母さんはいなかったけどメイド?みたいな人はいたし、俺ら2人で十分生活はできてたんや






























でも届いたんはプレゼントじゃなかった

















【廉とあなたへ】

そろそろ2人きりで生活させるのも限界だと思います。
お父さんとお母さんはしばらくまだ帰れません。なので代わりになる人を探しておきました。
廉とあなた、別々になっちゃうけどいつまでも家族よ。

父と母より
















パソコンで印刷した文字。












きっと書いたのは父さんや母さんじゃないなんてすぐにわかった






























『俺らのことなんか本当はどうでもいいくせに...((ボソッ』


あなた「にーに?」


キョトンとした顔でこっちを見つめてくる


何も知らない無垢で、素直なあなた。



『ごめんな...グズッ。兄ちゃんあなたのこと守れへんくて...ズズッ』


あなた「にぃに? いたいいたいなの??だいじょぶ?」





















初めて流した涙だった

























『見返してやる』


















そう思ったのが俺がジャニーズになったきっかけだったり...する。








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