第4話

04*ブルーベリージャムの仕入れ時
1,301
2018/10/28 03:26
あなた

ふんふふーん♩

安田章大
安田章大
なんや機嫌ええね。なんかあったん?
あなた

いやぁー実はですねぇ

今日は安田さんと丸山さんと私、3人がオフだ。でも丸山さんはどこかに出かけてしまったから、今は安田さんと私だけ。

亮ちゃんと家具を買いに行く約束をした日からずっと、私は機嫌がいい。
ずっと憧れてた生活に近づけるかもって思ったら、何でも乗り越えられる気がしてたから。

そのことを安田さんに話すと、安田さんは驚いた顔をした。
安田章大
安田章大
へぇーええねぇそりゃ……あの亮がねぇ……
あなた

ど、どういうことですか?

安田章大
安田章大
いや、亮って、いや亮だけちゃうけどね、うちのグループって人見知りさんが多いんよ。
あなた

えっ!そうなんですか!

安田章大
安田章大
意外やろ?俺とマルと信ちゃんはそんなことないんやけどね。
あなた

意外です……

関西人はみんなコミュ力高いのかと思ってたから、意外だ。
私は興味津々で、安田さんの分のお茶を用意して、ソファに座った。
安田章大
安田章大
あ、ありがとうねぇ
あなた

いえいえ全然

安田さんは一口お茶を飲んで、おいし、と呟いて、また話し始めた。
安田章大
安田章大
だからな、意外やねん。亮が知り合ったばっかの誰かを買い物に誘うなんて。びっくりしたわ笑
あなた

へぇ……そうだったのか

あの時はむしろ亮ちゃんから話しかけてきたから、亮ちゃんはコミュ力神だとばかり思ってた……。
あなた

じゃあなんで私なんかを……。

安田章大
安田章大
亮があなたちゃんを気に入ったんやろ。
あなた

えっ!いやいやそれは考えすぎですよ〜

安田章大
安田章大
そうかね?僕はそうかなぁと思ってんけどなぁ
あなた

だって、私なんかのどこを気にいるの?って話ですよ。まだ会って1ヶ月もたってないのに。

安田章大
安田章大
じゃああなたちゃんは僕たちのこと信用してへん?
あなた

いや、それは……

確かに、お互い知り合ってから今までの時間は変わらない。でも、私はエイトのことを信用してる。それは向こうも一緒ってこと?
いやいや、それは……。
あなた

私は一般人だし、テレビ見ればみなさんを見れるし……。
そういう意味では、私は一方的にみなさんのことは前から知ってたってことになりますし……。

安田章大
安田章大
まあ、確かにネ。でもねぇ……
安田さんは私の目をまっすぐ見て、微笑みながら言った。
安田章大
安田章大
あなたちゃんは、誰が見ても"ええ人"ってわかるよ?
あなた

え?なんで……?

安田章大
安田章大
なんやろな……なんか雰囲気とか、表情とか、話し方とか。
"ええ人感"が滲み出てるっていうか。
あなた

そ、そんなこと……。

安田章大
安田章大
そんなことあるで?自分じゃわからんかも知らんけど、第三者から見たら、少なくとも、そんな感じする。
あなた

そっ、いや、えぇ……。

いきなりの褒めの言葉に、私は動揺する。

安田さんってこんな人だったの?
こんなに人の心を踊らせる人だったの?


あなた

(そんなに言われたら、私そういう人なのかなって自惚れちゃうよ…)

安田章大
安田章大
あ、ちょっと赤くなってる。かわええー笑
あなた

えっ!!こ、これは決して自惚れてるわけではなくてですね……

安田章大
安田章大
はいはい。わかっとるよ。でも自惚れちゃうで?事実やから。
笑顔でそう言う安田さん。
あなた

(な、何よ……。安田さんって、可愛い担当なんじゃないの……?

めっちゃ言うことかっこいい……)

私が呆然としてると、安田さんは立ち上がった。
安田章大
安田章大
マルいつ帰ってくるかわからんなぁ。その前に、ケーキ食べよ!
あなた

ケーキ?

あなた

(ケーキなんてあったっけ?)

安田章大
安田章大
昨日の帰りに買ってたんよ〜!明日オフやし、マルと食べようかなって。でも、気ぃ変わってん。
あなたちゃん、食べへん?
あなた

え、い、いいの?

安田章大
安田章大
ええって!
あなた

だって丸山さんのやつなんじゃ….

安田章大
安田章大
ええよ!あの人どっか行ってもうたし。バレんうちに!
シーっと口に人差し指を当て、ウインクをする。
さ、さすがジャニーズ……。
そんな可愛い顔見せられたら、断れないよ。
あなた

た、食べる!!

安田章大
安田章大
よっしゃ!!
チョコとチーズどっちがええ?
それからは紅茶を淹れ、いろんなことを話した。

あなた

(いやぁ、それにしても……。安田さんって、わかんない……)

さっきまですごくイケメンだったのが、今は笑顔でエイトのことを話す天使と化してる。
あなた

……安田さんって

安田章大
安田章大
ん?
あなた

可愛いですよね

安田章大
安田章大
そお?へへっ!
あなた

(あ、やっぱり可愛いかも。)

そんなことをずっと話して、ケーキを食べ終えたくらいに、丸山さんが帰ってきた。
丸山さんが手から下げている袋の中からはワインだのビールだの……
丸山さんが冷蔵庫を開け、"えっ、俺のケーキが無い!!"って叫んでたけど、ケーキの行方は私と安田さんのヒミツってことて!
安田章大
安田章大
あなたちゃん……まだ敬語治らんのかなあ……
熟したブルーベリーは、時に甘く、時に酸っぱい。
どちらの顔も併せ持つから、ヤミツキになる。

あなたはこのジャムを、いつ使おうか?

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