今日は安田さんと丸山さんと私、3人がオフだ。でも丸山さんはどこかに出かけてしまったから、今は安田さんと私だけ。
亮ちゃんと家具を買いに行く約束をした日からずっと、私は機嫌がいい。
ずっと憧れてた生活に近づけるかもって思ったら、何でも乗り越えられる気がしてたから。
そのことを安田さんに話すと、安田さんは驚いた顔をした。
関西人はみんなコミュ力高いのかと思ってたから、意外だ。
私は興味津々で、安田さんの分のお茶を用意して、ソファに座った。
安田さんは一口お茶を飲んで、おいし、と呟いて、また話し始めた。
あの時はむしろ亮ちゃんから話しかけてきたから、亮ちゃんはコミュ力神だとばかり思ってた……。
確かに、お互い知り合ってから今までの時間は変わらない。でも、私はエイトのことを信用してる。それは向こうも一緒ってこと?
いやいや、それは……。
安田さんは私の目をまっすぐ見て、微笑みながら言った。
いきなりの褒めの言葉に、私は動揺する。
安田さんってこんな人だったの?
こんなに人の心を踊らせる人だったの?
笑顔でそう言う安田さん。
私が呆然としてると、安田さんは立ち上がった。
シーっと口に人差し指を当て、ウインクをする。
さ、さすがジャニーズ……。
そんな可愛い顔見せられたら、断れないよ。
それからは紅茶を淹れ、いろんなことを話した。
さっきまですごくイケメンだったのが、今は笑顔でエイトのことを話す天使と化してる。
そんなことをずっと話して、ケーキを食べ終えたくらいに、丸山さんが帰ってきた。
丸山さんが手から下げている袋の中からはワインだのビールだの……
丸山さんが冷蔵庫を開け、"えっ、俺のケーキが無い!!"って叫んでたけど、ケーキの行方は私と安田さんのヒミツってことて!
熟したブルーベリーは、時に甘く、時に酸っぱい。
どちらの顔も併せ持つから、ヤミツキになる。
あなたはこのジャムを、いつ使おうか?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!