第5話

05*マーマレードの甘苦い罠
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2018/10/29 09:50
丸山隆平
丸山隆平
いやあああ!やっぱいいっすねぇえ!
安田章大
安田章大
マル早ない?酔うの笑
丸山隆平
丸山隆平
やっぱさ、1人で呑むより楽しいよなぁ!はっはっはー!
あなた

あ、あはは

丸山さんが帰ってきてから、お酒パーティ状態。
こんなに丸山さんがお酒好きだったとは……
いや、私も結構好きですけど。
安田章大
安田章大
ごめーん俺明日早いねん。風呂、先いい?
あなた

あ、いってらっしゃい

丸山隆平
丸山隆平
じゃあねえーヤスー
安田章大
安田章大
マル、お前あなたちゃんに手ぇ出すなよ?
あなた

えっ?それってどういう……

丸山隆平
丸山隆平
大丈夫やってえ。そんな見境なく襲わんよお。
安田章大
安田章大
ならええけど!身内だけにしとけよー
そう言って、安田さんはお風呂場に向かって行った。

そういえば…丸山さんと2人になるのは……
丸山隆平
丸山隆平
あの日以来やねぇー
あなた

え?

丸山隆平
丸山隆平
2人きり
あなた

あ、そうですね……

そう、初めて関ジャニさんと対面した時の夜。
どこかまだぎこちなくて、お互いどう接していいかわからなかった時。
丸山さんから、私に話しかけてくれた。
一緒にちょっと話さへん?って。
丸山隆平
丸山隆平
いやね、あん時は俺も怖かったんよ。まだあなたちゃんのことよう知らんかったし
あなた

あ、それは、申し訳ない…….

丸山隆平
丸山隆平
ちゃうちゃう。しょうがないやん。むしろ、ありがとうな。
あなた

え?

丸山さんは少し赤い顔のまま、私の隣に座った。
丸山隆平
丸山隆平
俺らだって、テレビにはでてるけど、あなたちゃんにとっては素性の知れへん赤の他人だったでしょ?
なのに最初っから俺らを信用してて、むしろ自分が信用されてへんからって思い込んで、自分が出て行くとか言ってたやん。
あなた

いやそれは当たり前のことかと…

丸山隆平
丸山隆平
そお?だって、そっちからしたら俺らただの侵入者だったやん?
あなた

(ま、まあ確かにあの時はびっくりしたけど)

丸山隆平
丸山隆平
せやからね、あの時も言ったけどね、
丸山さんは私の目をまっすぐ見て、
丸山隆平
丸山隆平
ありがとう。
あなた

っ……。

丸山さんって、今、酔ってるよね?

全然それを感じさせないほど、しっかりとした言葉で、私に話してる。
あなた

(丸山さんって、今までわからなかったけど、すごいイケメンかも知れない……。
やば、なんかずっと見てたら恥ずかしくなってきちゃった)

私は思わず目を逸らした。
丸山隆平
丸山隆平
ふふっ、こうしてあなたちゃんとお酒飲めて嬉しいわぁ。
あなた

そ、そうですか?

丸山隆平
丸山隆平
だって、可愛い子と飲める機会、めったにないもん。
あなた

(……丸山さんは……)

あなた

丸山さん、モテるでしょ?

丸山隆平
丸山隆平
そりゃージャニーズですからあ!
そう言ってドヤ顔をする丸山さん。
あなた

(丸山さんって、本当、ずるい。)

丸山隆平
丸山隆平
あなたちゃん、飲んでる?足りてますー?
あなた

結構飲みましたよ!丸山さんのおかげで。こんなに飲んだの久々……。

丸山隆平
丸山隆平
そお!?じゃあさ!!
そう言った途端に、丸山さんは私に向かい合って、
丸山隆平
丸山隆平
俺は?
あなた

……へ?

丸山隆平
丸山隆平
俺は足りてる?
あなた

……ん??

丸山さんは、私の腰の横に手をついた。
丸山隆平
丸山隆平
丸山隆平で、満たしたろか?
あなた

いや、え、あ、ん??

私がようやっとその意味を理解して、頭が沸騰しそうになった。
そんな丸山さんからは、ほんのりお酒の匂いと、少しの香水の匂い。
私をまっすぐ見つめるその目に、吸い込まれそう。

やばい、のまれる……

そう思った瞬間。
安田章大
安田章大
マルーーー!!あかーーーん!!
丸山隆平
丸山隆平
うおぅふ!
安田さんが急に丸山さんに飛びついた。
丸山隆平
丸山隆平
ヤス冷たい!ちゃんと拭いてから来なさいよぉ!
安田章大
安田章大
いやいやそこちゃうねん!あなたちゃんに何もせんって言うたやろ!
あなた

しょーちゃ……助かったぁああ……

安田章大
安田章大
ほらみい!!
丸山隆平
丸山隆平
ちゃうってええええ
危なかった、本当に。
あなた

(丸山さんに、本当に、流されるところだった……危ない危ない……)

一見美味しそうなマーマレード。
そのオレンジは、時に苦さも感じさせる。

そのファンになってしまったら、もう他のものには手も出せない。
中毒性を秘めているから、ご注意を。

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