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第2話

秘める想い
時は高校1年の10月に遡る。


「あ、晴太!」


朝、教室に入ると右隣の席にはもう彼の姿があった。


私の席は廊下側から2番目、後ろから2番目。


「はよ〜

って、今朝あなたが自転車置き場の方行くの見かけたけどな」


「えっ、声掛けてよ〜」


「見かけただけだしっ

それに、」


「はいはい、彼女といたんでしょ?」


私はカバンを机の横に置きながら晴太の言葉を遮って言う。


ちらっと横を見ると、晴太は頬を弛めていた。


「鼻の下伸びてるよ、やめなその顔…」


まるでデヘッと笑い声が聞こえるかのような晴太の顔。


「うるせぇなぁ…

しゃーねーだろっ」


とは言いつつも全く表情を変えない。


それどころかニヤニヤが増していくばかり。


「まぁ、1ヶ月だもんねぇ

いわゆるラブラブ期ですか…」


晴太は9月の半ばに部活の先輩に告白されて付き合った。


晴太が所属する野球部のマネージャー。


ちなみに私もマネージャーだから、その人がめっちゃ可愛いことを知ってる。


性格も、めちゃめちゃいい。


優しくて可愛くて、完璧な人。


付き合ってから2人は毎朝晩一緒に登校してる。


こうやって、朝練のない日でも。


「おー、今めっちゃ楽しい!」


満面の笑みでこっちを見てくる晴太。


その幸せそうな笑顔に、私は少なからず傷ついている。


私と晴太は、もう4年くらい前からずっと一緒で。


元々私は野球が好きで、同じクラスになった晴太とは中学入学直後からすぐに気があった。


高校も合わせたわけじゃないのにたまたま同じところを選んでて。


腐れ縁ってやつなのか、クラスも離れたことがない。


今年の4月の入学式でも、また一緒じゃん!!ってなったなぁ。


なんでも話せて、気の合う1番の男友達。


大親友。


だけど…


いつからだろう、私は、


晴太を男の子として意識するようになってた。


今もずっと。


そんなこと、晴太は気づいてない。


気づかれちゃいけない。


晴太の笑顔にドキドキすることも、清太の惚気に胸がズキズキ痛むことも。


顔が歪みそうになるのを私はどうにかこらえた。


変な顔になってないだろうか。


悟られないだろうか。


そんなことを心の中では思いながら、私は笑顔の仮面をつける。


そしてバシッと晴太の肩を叩きながら言った。


「ま、頑張りな!!」