第5話

考え事
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2020/12/10 12:57
あ〜何もすることがない…。


土曜日。


午前9時。


まだ布団にくるまっている。


本当だったら部活があるはずなんだけど、コーチの都合により今日はおやすみ。


…部活がないってこんなに暇なのか。


友達と遊ぶのもいいけど、昨日部活なしって聞いたからなぁ〜…


それに、えいみは吹奏楽部で普通に部活あるし。


あとは〜…中学の頃の友達とか?


ーピコンッ


スマホが鳴る。


新着メッセージがあります、とロック画面に表示される。


顔認証して内容を見ると、ちょうど声をかけようと思っていた石村いしむら希羽ののは、中学の友達からだった。


『今日暇〜?

久々に遊ばない??』


お!


ナイスタイミング!


『遊ぶ!!』


即返信して、ベッドから起き上がる。


「やった!」


さーて、何着てこうかな。


てかどこ行くんだろ?


クローゼットを漁りながら希羽にLINEを打つ。


すぐに既読が付いて、隣の駅に新しく出来たカフェを提案された。


へぇ〜、知らなかった。


隣の駅にカフェが出来てたなんて。


中学の頃は毎日使ってたのに、高校は逆方面。


久しぶりだな〜。


あの駅に行くのも、希羽に会うのも。


ぜっっったい、晴太の事聞かれるんだろうなぁ〜…


「付き合った!?どんな感じ!?」とかなんとか…


「…はぁ。」


自然とこぼれるため息。


私だって…!!


私だって、進展してたかったさ!!


てか、進展したいさ!!!


けど、無理じゃん…


あんな幸せそうな顔しちゃってさ…。


にやにやしながら相談してきちゃってさ…。


こっちの気持ちも考えろっ!!


ばふっと、脱いだパジャマを布団に投げつけた。


「…。」


なんて、結局行動しなかった自分が悪いし。


晴太は何も悪くないし。


元々私だって、親友にしか思ってなかった。


だから、晴太が私に恋愛感情を抱かないのも分かる。


それでもやっぱり…


心のどこかで期待してた。


私が晴太を好きになったように、晴太も私を好きになってくれるんじゃないかって。


高校生になったら、もしかして恋人になれるんじゃないかって。


思ってたんだけどなぁ〜…


だって夏祭りも一緒に行ったんだよ!?


もしかして…!?って、思うじゃんかぁ…


なのに急に彼女なんか作っちゃってさっ…


「…あーもう、やめやめ!!」


考えるのやめた!!


カフェ楽しみ!!


切り替え大事。


久しぶりに希羽に会えるんだもん、楽しい気分で行かなきゃ!!

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