チャイムが鳴り響く。
昼休みの終了5分前の合図だ
もしかしたら、あのまましばらく教室にいたら昼休みはずっと志麻くんと話していられたのかもしれないと思ったが、今更後悔しても遅いことは重々承知している。
にこりと微笑む志麻くん。
彼にはこの優しい笑みがつくづく似合うと思う
しかし、またもや危なかった。
素直に「最近、食べることが辛くって...」なんて言ってしまった日には、その原因も追及されるに決まっている。そうなってしまっては、また堂々巡りである。
キョドってしまったが、元気に答えたつもりだ。バレていないことを祈ろう
授業直前の皆がいる時間と、授業中は、当然だが何も起こらない。だが、今の私はその当然のことでとても安心してしまう。
いじめはいけない事___
それは一般常識だろう。
その『一般常識』が目に届くところにある時だけ私は守られている。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。