授業にはなんとか間に合った。かなりギリギリだったけれど...
3、4時間目は被害もなにもなく、穏やかだった。
ただ、この後が一番恐い。だって...
教室の中心で叫んだ坂田くんを宥める2人。
そう、もう昼食の時間。
今日も今日とて浦田くん、志麻くん、坂田くん、折原くんの4人は女子に誘われている。
だが、今日は生徒会の為、急いでいるらしい。そそくさと用意を終わらせていつもの4人で出て行ってしまった。
これまたいつものことだが、断られた女子たちがぶーぶーと文句を垂れている
そう思い、急いで教室を音も影もなく出て行った
安堵しつつ、廊下を先生に怒られない程度の速さで小走りになりながら進んで行く
行き先は特には考えていなかったけれど、足が勝手に動いていた。
屋上にと思ったけれど、普段は生徒が立ち入らないように鍵がかかっているし、鍵を職員室から借りてきて、屋上に行ったとしてもクラスの女子に見つかってしまっては逃げ場はないだろう
それに、最悪の場合を考えてしまった。
___もし、突き落とされでもしたらどうしよう
そんなことを考えてしまって、恐くて怖くて堪らなくなり、屋上はやめた
では、私はどこへ向かったのか
無意識に移動したのだろう。気がつけば、そこは倉庫だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!