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第10話

逸る鼓動
志麻くんが部屋から出る様子がない。
物思いにふけっているのだろうが、私がロッカーから出られなくて困ってしまう。昼休みの時間はまだまだあるだろうし、終了までロッカーの中に居てもいいのだけれど...なんて思ってしまう。
そうして、3分程が経過した頃、志麻くんが深い溜め息を吐いた。何かに呆れているようだ。 すると...



ガチャン
ロッカーの扉が開けられた。
あなた
あなた
ふぇ???
いきなりのことに、情けない声が出てしまう
ロッカーの扉を開けた志麻くんがニコリと微笑む。ただその笑顔はいつもの優しいだけのものではなく、他にも感情が混ざっていた。
あなた
あなた
(あれ?志麻くん、なんかいつもと違う?)
志麻
志麻
なにしてるん?
ロッカーこんなとこ
あなた
あなた
あ、いやぁ...その...。
あなた
あなた
別に覗こうとか、そのような事は考えていなかったのですよ?!
志麻くんの目を見られない...
いくら理由が知られたくないからといって、志麻くんに嘘を吐くのは、何か辛いものがある
志麻
志麻
俺が聞いてんのは、ロッカーここにいる理由や
あなた
あなた
ここならゆっくり休めると思い、来たんですが...あ、絢野さんが入って来たもので、それでここに
志麻
志麻
ふぅーん
そうなんや
理解してくれたようで安心しきった。
その時、
志麻
志麻
んで?今日は敬語なんやね
志麻
志麻
急にどーしたんかなぁ?
あなた
あなた
...え?
あなた
あなた
えっと....
志麻
志麻
志麻くんに教えてくれへんかな~?
あなた
あなた
(うっ!!
 自分を『くん』呼びっ!
 ちょっと怒ってる?!)
志麻くんはニコニコしているようだが、内心怒っているのが伝わってくる。
でも、何故だかわからなかった
...というか、危ない。
いつもいじめてくるたちには、敬語を強要されているから、外すのを忘れていた
微妙な違いに気付いてくれて嬉しくもあったが...
あなた
あなた
...。
...。
答えられない。
「気分です。」なんて言っても、志麻くんには嘘だと簡単に見破られてしまいそうな気がする
私が口ごもっていると、志麻くんが言った
志麻
志麻
答えてくれへんの?
その声がすごく優しくて、嘘を吐いている自分がすごく醜く感じる。それに、その声で胸が痛くて痛くて堪らなくなる。
ドンッ
すると、ロッカーを叩いた音が鳴る
その音にギュッと目をつむ
薄目を開けて見ると、志麻くんの顔が近くにあった
あなた
あなた
え?
あなた
あなた
(え?これって...)
あなた
あなた
(か、壁ドン?!)
頭の中がぐちゃぐちゃになる
あなた
あなた
あ、あの...///
しっ、志麻くん....///
志麻
志麻
ん~?
どしたん?
耳まで真っ赤に染まっていくのが自分でもわかる
あなた
あなた
ち、ちっ近い...ですっ///
志麻
志麻
教えてくれへんから、その罰として恥ずかしい思いをしてもらう
あなた
あなた
(さ、さすが志麻くん
 考えることがS...!)
志麻
志麻
...つもりやったんや『けど』なぁ
あなた
あなた
...???
頭にハテナマークを浮かべていた次の瞬間、更に近くに志麻くんが迫ってきたかと思うと




頬に柔らかい感触を覚えた
それを理解するのには少しの時間を要した
だが...
志麻
志麻
んふふ♥
甘く笑う志麻くんを見て、それがキスであることを頭でも身体でも理解できた

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ゆらら
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