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第23話

約束のケーキ
志麻
志麻
ずっと...
いるから...
不意に肩に温かい液がかかる。それは志麻くんの涙だった。
志麻くんは泣いていた。いや、私なんかの為に泣いてくれていた。
__あぁ、私...なんて...__





        幸せなんだろう。







そう思った。私の為に泣いてくれている人が居るなんて、と。嬉しさと安堵が混ざって、涙となって零れ落ちる。ポロポロと零れて、溢れて...止まらなくて...でも、その涙は私の中の負の感情を吐き出してくれているようで不思議と不快感は無かった。
どれだけ時間が経っただろうか。窓から入る光はオレンジ色に染まっていて、濁りのない綺麗な色をしていた。
あなた
あなた
志麻くん...
もう大丈夫、落ち着いたから。
そう言うと、私の肩に顔を埋めていた志麻くんがゆっくりと顔を上げた。
志麻
志麻
本当に?
その顔からは心の底から心配をしてくれいるのが伝わってきて、胸を締め付けられる。
そして、目は若干赤く腫れていて、頬には涙が伝った後が残っている。
その涙の後を消してしまいたいような...けれど、私を想ってくれた証を消したくないような衝動に刈られ、彼の頬を愛しく、そして優しく撫でた。
あなた
あなた
本当だよ。もう大丈夫!
志麻くんを安心させたくて、微笑んで見せる。
志麻
志麻
よかった...よかったぁ...!
その時の志麻くんの声は心から絞り出したようで、少し掠れていた。
そんな彼を今度は私が抱きしめる。
少しして、志麻くんは顔を上げた。
志麻
志麻
さ!約束のケーキ食べよ!
そう言って笑った志麻くんは目に少し涙を溜めて、八重歯を見せていた。
あなた
あなた
うん!
いつもの志麻くんに戻って私は安堵した。

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ゆらら
ゆらら
              
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