トサッ
ところが、頭を打つどころか何処も痛くない
代わりに乾いた布の音がした
声を発すると、手に先程までの重みがないことに気付く。 ハッとして上を見ると、
と志麻くんが私の頭上から投げ掛ける
この体勢からして、階段から落ちた私は背を預けるようにして志麻くんによりかかってしまったのだろう。
そう言って、いつもの笑みを浮かべ、すぐに体勢を直そうとくるりと向き直...ろうとした
だが、頭痛がして前のめりになる
片手で階段の手すりを、もう片方の手で頭を抱える私の隣で、
私の持っていた資料を折原くんが持っていることに気付く。
優しく言い放つ志麻くん。
心底心配そうな目で言われた。
そんな目で見られたら、言い返せなくなったてしまうじゃないか
そんな言葉、掛けられたのは久しぶりすぎて、戸惑ってしまった
そう言うと志麻くんは私の手をひいて進む
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。