《あなたside》
次の日から私はツリメくんを避けるようになった
そこにはツリメくんとその友達が笑顔で話していた
ツリメくんが下を向いて私と目が合ったけど私は足早にその場から離れる
本当にこのままでいいのかな…
…やっぱり、あと1日でツリメくんが転校するのにちゃんとお別れできないのは嫌だ。
転校する明日、屋上でツリメくんが来るのを信じて待つことにした
【ツリメが転校する日】
私は屋上の柱の部分に隠れた
【ガチャ】
そこに来たのはツリメくんだった
ちゃんとお別れをしないと。そう思ってもなかなか出れない…
よし。言おう
柱から出てくるとツリメくんの姿はなかった
はしごには私の赤のイヤホンがくぐられていた
最後にツリメくんに会った日からなかったのに…
まさか…
私は走った。ちゃんとお別れしてお礼を言わないと…
お願い…間に合って…
目の前にいるのに…私は疲れて動けなく、崩れ落ちた
私は片方のイヤホンを耳につけた
そうするとイヤホンはピンッと張って、ツリメくんが振り返った
言わないと!
私は立ち上がり、笑顔でこう言った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。