第7話

夢じゃ……ないよな……
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2022/01/03 12:27
俺は今一般客に混じり 『ロゼル』のライブを見ようとしている…。

MC「次は、キケンな香りで魅了する4人組バンド!ロゼルだぁぁぁぁ!!」

MCが鼻息荒く紹介し、観客が盛り上がる。
そんな中で俺は、静かに唾を飲んだ。

狼の被り物「うるせーお前ら。」

猫の被り物「私たちの音、聞き逃さないでくださいね…(フフッ」

狐の被り物「かわい子ちゃんみっけ~」

兎の被り物「はぁ~…。」

まとまりのない入場をしてきたかと思えば
最初に入ってきた狼の被り物を被ったリーダーらしき人物が

狼の被り物「1音たりと、聞き逃すんじゃねえぞぉぉぉ!!」

その一言で一気に鳥肌がたち ドワッ と会場が盛り上がった。それと同時に曲が始まった。
コレがNo.1だったバンド……。

すごい……。クオリティが…違い…すぎる……。

……ゾクゾクする ッ !

心の奥からすんげー気持ちが湧き出てくる…!すごいすごいすごいッ……!

ロゼルのライブはあっという間に終わってしまい、すごい余韻が残る…。
ぼーっとしながら楽屋に戻れば陸が心配そうに駆け寄ってきた。

陸「ど、どうしたの楓?大丈夫…?」

陸の顔を見て俺は震えながら言った

楓「すご…かった……。すごいすごいかっこよかった…!」

響が鼻で笑ったかと思ったら

響「んじゃあ、その すごい奴ら よりすごいライブしに行くかッ。」

楓・陸 『うん!』『おう!』

その言葉を合図に俺らは舞台裏に立つ。
いろんな人が見に来てくれている。
肌が ビリビリ する。

MC「次はネットで話題になった謎の集団!!ウルフだぁぁぁぁ!」

その中で俺は静かになるまで待つ。
静かになった瞬間、その瞬間!

楓「今日は聞きに来てくれてありがとう…!どうか最後まで…盛り上がってってください。」

そんな在り来りなことしか俺には言えないけど…。その分俺らの音に注ぎ込むッ。





やば…かった。すごい楽しかった…。
でも…。でもッ…まだまだまだまだまだ!!
まだ……ダメだッ。
『ロゼル』にはこれではすぐ追いぬかれる…。

楓「先に楽屋戻るわ…!」

少し1人になりたくてそう言うと、響達は黙って頷いてくれた。

楽屋までの道を一人で歩いていると

狐の被り物「あれ~? ウルフ君のボーカルじゃな~い?」

そう聞こえ前を向くと ロゼル の皆がいた。
いや、兎の被り物だけいない。
まだ被り物を被っていて少し不気味。
少しじゃねーわ。普通に夜中会ったらチビるレベルだわ。

楓「あ、お疲れ様です…。
ライブ…悔しいけど、めちゃくちゃかっこよかったです。」

爪が食い込むぐらい自分の手を強く握れば、
ロゼルの皆の方を向き、笑ってそう言う。
すると、

狐の被り物「今の笑顔何…?可愛過ぎない?」

猫の被り物「可愛すぎました。」

狼の被り物「決めた。」

ボソボソと3人で話を始めたかと思うと、急に俺の方を向き

狼の被り物「お前俺らのバンドに入れ。」

………は????
何言ってやがるんですか?
俺さっきまで皆とLIVEしてたよな??ん?

兎の被り物 「馬鹿野郎ッ! 何言ってんだお前!かえッ…こいつはウルフってバンドにもう所属してるじゃないか!」

遅れてやってきた兎の被り物を被ったやつが勢いよく後ろから狼の頭を叩き、俺が言いたかったことを言った。
いや、途中のかえっってなんなんだ??

狼の被り物「そんなの関係ねーよ。俺は欲しいと思ったものは手に入れる!
それにお前以外は賛成してるからな」

きっっっっしょっっ!寒いッ!
欲しいと思ったものは必ず~みたいのは漫画だけでいい!!!楓くん実感!
てかピリついた空気になってきた…?!

楓「あ、あのぉ…俺、兎さんの言う通り、ウルフっていうバンドに入っているのde…フグァッ

えっ?!なにッ!?はッ!?僕が真剣に説明しようとしたのに後ろから首に腕回してきたの誰!?
地味に首しまったからな????
気持ち悪い音を喉から出してしまったじゃないか!!

響 「怒鳴り声聞こえると思ったら…、うちのに何してんすか?」

その声は…、クソ怒ってる響くんじゃないデスカ ァ …ハハ…ハ……。
慌てて走ってきたのか珍しく息が切れてる。
てか、身長差があるのをすごい実感するのでこの体制をやめて頂きたいし、他のやつとやってる響君をガン見したい()

狼の被り物 「いや、ロゼルに入らないか誘ってたんだ!」

は?!それ今言う!?後ろの響くんから怒りがビシビシと伝わってくるんだが!!!
これが、修羅場ってやつですか?!

神様仏様、なんでもしますんでたすけてくだざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!()

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー作者から

長期間、作品を停止してしまいすみませんでした。
学校生活等作者の事情により更新頻度も遅くなってしまいますが、それでも応援してくださったら嬉しいです。

考えました結果公開範囲はフォロワー限定公開にさせて頂こうと思います。コメントをくださった方ありがとうございます。

まだまだ楓たちのお話は続きますので、楽しみにしていただけると嬉しいです…!

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