自信が俺の良いところ。

自信に溢れたパフォーマンスに表情。
それは、並々ならぬ努力の賜物。


100回やって1度も失敗しない自分を確認してからステージに挑む位の保証。

自分に自信があるのは、成功が約束されているから。



でも、最近は本格的に時間が無くなってきた。

準備をしても、万全にはできない。



今まで自信のあったパフォーマンスに、だんだん黒い影が見えてくる。






完璧だった俺に不安など、耐性がないわけで。



ちょっとした興味だった。


死にたくなった人が自傷行為をするのを知っていたから、こうすれば逃げられると思ったんだ。


サッと、カッターを滑らせた。

急に湧き上がるドクドクした負の感情。

経験のない高まり。




でも、サッと血の気が引いた。

こんなところに切り傷なんて、リストカットに決まっている。

バレたらきっとニュース沙汰だ。



まだ、傷ひとつ。言い訳はできる。

今のうちにやめておこうと、カッターを手放した。





でも、あのゾクゾクが直ぐに恋しくなった。

生きていると感じられるあのゾクゾク。

さらなる痛みで悩みも覆い隠すようなあの感覚が必要で、必死に他の手を考えた。




結論。

手首以外が傷だらけになって、薬漬けになっていった。



全部、言い訳ができるように。

「今からつける傷は、今日の仕事のあの時、あの場所で擦ったことにしよう。」
そう考えてから、切るようになった。

「今から飲む薬は、今日の天気が原因で頭が痛いから飲むということにしよう。」
そう考えてから飲むようになった。

そうやって、上手く交していたつもりだった。

視界が歪む。

今日は薬を飲みすぎていたかもしれない。



壁に手を着いて、落ち着こうとするが
次は動悸が止まらない。

がっしりと僕を掴んだジョンホの腕に、つい体重をかけてしまい、そのまま俺は意識を失った。

目を覚ますと、病院だった。
もう色々な検査は終わっているらしく、着慣れない入院服が変な感じ。

目を覚ましたと同時に、大きな声で耳が痛い。

でも、何もバレていないようで安心した。




だが、そこに現れた医者の一言。

その時、視界の隅でホンジュニヒョンの空気が変わった。


やばい。

今までに見た事のない顔をして静かに怒るホンジュニヒョンがものすごく怖かった。

周りのスタッフさん達はいつも優しくて素敵な人たちばかりだ。

このままではその人たちにも迷惑がかかる。

いやだ、そうならないようにしてきたのに。

図星だった。

僕はできるだけ隠したかったのに、このままでは俺がきっかけで人間関係が粉々になってしまう。

泣きながらそう言った時、ガバッと誰かが抱きついてきた。

ホンジュニヒョンの匂いがした。

伏せていた目を、ヨサンに向けた。

なぜか、涙腺が決壊した。

俺が欲しかった言葉だったのかもしれない。



枯れるほど泣いて、その後はそのまま寝た。

夜中に起きると、その辺で寝ているメンバーがいて、医者も気を使ってくれたんだなと思った。



その後は、傷をつける癖をだんだんゆっくり抑えながら、活動を休むことなく続けた。


それから、お互いへの称え合いは増え、もっと暖かいグループになった気がする。

僕はこのチームで居てよかった。
心からそう思った。