第63話

🐤🌟 閉所恐怖症
1,114
2023/07/30 14:26
誘拐
🐤
はぁっ…はぁっ……
🌟
ミンギヤ、落ち着いて……大丈夫だから…
どうしてこんなことになってしまったのだろう。

僕達は普通に移動の車を待っていて、マネヒョンが忙しいから代わりに来たと語った男の車に乗っただけ。


途中、トンネルに入ったところで、ガスマスクを付け始めた男は、何かしらのガスを噴射し始めたと思った瞬間意識が飛んで、こんなところにいた。
🐤
大丈夫です…落ち着いてます……
ここは真っ暗で、かつ狭い。
お互いの足を上手くかわさないと座れもしない。


ミンギは心が強い方では無い。
自分の状況を理解して、必死に呼吸をしているが、過呼吸寸前だ。
🌟
…くそ、手が……
体を捻ると、ジャリジャリとチェーンが擦れる音がする。

手も後ろで縛られていて、狭さ故に立つこともできない。
暗すぎて、扉があるのかもわからないし、触って探すことも出来ない。
🐤
俺達のこと、どうするつもりなんですかね…
🌟
……
会社宛に身代金でも要求するのだろうか。

いや、リスクがありすぎる。

そう考えていた時だった。
??
おーい!!生きてるか!
死んでねぇよな!!
汚い笑い混じりの声が、この壁の向こうから聞こえた。

僕は咄嗟にミンギに目を向ける。
🌟
僕に合わせて…!
🐤
…はい!
小声で確認した後、僕は大声で返事をした。
🌟
僕は生きてます!!
でももうひとりが危なくて…!!
??
はぁー?!
困るんだけど、これから売るってのに!!
売る。

どこで。

もっと探らなくては。
🌟
う、売るって、どういうことですか!!
??
んなもん、ダークウェブとかじゃ当たり前だぞー?芸能人もボカボカ売られてるっつーの!
なるほど。
怪しまれるからここまでにしよう。
🌟
とりあえず!!こいつの治療を!!
そう言って直ぐに、様子を見るためか、薄く扉が空いた。


今だ、そう思って空いた扉に座ったまま体重をかけた。
??
うわっ!
何すんだてめぇ!!
激痛が走る。

気がついた時には僕は吹っ飛ばされていた。


でも、とにかく光が指す外を見る。

質素な作りだ。

いや、廃墟か?


建物の外が見える窓があるが、ビルも見える。

まだここは街中だ。


何度も何度も蹴られながら、必死に情報を取り込む。
🐤
ソンファヒョン!!!
ミンギの悲痛な声を聞きながら、意識は途切れた。








🐤side
🐤
ソンファヒョン!!ソンファヒョン!
必死に体で揺さぶっても起きない。

完全に意識が飛んでいる。





もう、何も考えられなくなった。
🐤
はぁっ、はぁっ…ひゅっ、ゲホッ
??
…んだよ、過呼吸じゃ死なねーよ人は。
また、扉が閉まり、真っ暗闇へ。
🐤
ひゅっ、ひゅっ、はぁーーっ、ひゅっ、
息を吐こう吐こうとしても、内臓が痙攣するように、吐けなくなる。

そこに、バサッと何かが覆いかぶさった。
🐤
…ひゅっ、
🌟
大丈夫…落ち着いて、
ヒョンがいるからね…
ソンファヒョンだった。
🐤
ひ、ヒョン…、
🌟
大丈夫。
すってー、はいてー、そう。
痛みからか、ヒョンの声は震えていた。

でも、それよりも俺の事を落ち着かせようとしてくれている。



ヒョンの声に合わせて、段々と呼吸が落ち着いてきた。
🐤
ありがとう…ございます……、
🌟
大丈夫…助け、呼んだから……
🐤
え、…
ソンファヒョンの後ろの壁が少しだけ光った。
🌟
アップルウォッチ、取られてなかった…
運が良かった…
そこまで言うと、ソンファヒョンはぐったりとして、本当に気を失った。






助け出されたのは、それから24時間後。

本当に長かったし、ヒョンが全く起きなくて怖かった。

でも、その間の孤独は、ヒョンの「助けを呼んだ」の言葉でどうにか埋めることが出来た。




病院で目を覚ました俺たちは、直ぐに警察の聞き取りに追われた。

と言っても、警察署に行った訳ではなく、重症のヒョンの病室に俺と警察官が行って行っただけのもの。

実際あの時にヒョンがしていたことは、どうにか警察へ電話をかけ、モールス信号を送ったというとこ。

モールス信号なんていつ覚えたのだと驚いていると、
🌟
昔、テストのカンニングが出来たらと覚えたけれど、いざやると不審すぎて出来なかった無駄な知識だよ。
と笑っていた。


そのまた後、芋ずる式に犯罪が発覚して、とても大きな事件として取り上げられていた。


メンバーにも号泣されたが、ヒョンの偉大さを強く思い知った事件だった。

ヒョンみたいになれたら、と心で強く思った。

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