第23話

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2019/01/22 12:54
「ねぇあんた」


後ろから声がして振り向いた。
あなた

こころ先輩……

こころ
あんた広臣と付き合ってんだってね
あなた

……

こころ
噂ってすぐ広まるんだよ?笑笑怖いよねー笑笑
あなた

……

怖くて何も言えなかった。
こころ
ねぇ……
こころ
広臣と別れてよ
あなた

なんで……

こころ
決まってるでしょ、広臣は私の物なの
あなた

広臣は物じゃないよ

こころ
私はね、ずっと…誰よりも広臣のことが好きだったの、一番そばにいたのも私だし、一番広臣のこと知ってるのも私!!
あんたなんかに取られるわけにいかないの
あなた

……

こころ
あんたより私の方が広臣の彼女に向いてるの、だから別れなさいよ
そう言ってこころ先輩は歩いていった。


私は広臣と一緒にいちゃダメなのかな……


それからそんな事を考えるようになった。


次の日…


教室に入ると一気に私に視線が集まった。
クラスの女子
あなたちゃんって登坂先輩と付き合ってるんだってね
あなた

え……

クラスの女子
みんなから登坂先輩取らないでよ
クラスの男子
登坂先輩になんか勝てねぇよ俺ら……
クラスの女子
少し可愛いからってちょーしのってんじゃないわよ
あなた

別に私そんなつもりじゃ……

クラスの女子
こころ先輩も昨日言ってたよ?泣きながら私の広臣取られたって
あなた

私は別に……

クラスの女子
ガッカリだわ
私はトイレに逃げた。
あなた

ハァハァハァ……

みんなからこんなに責められたのなんて初めてで……


泣きそうになっていると一瞬にしてびしょびしょになった。
クラスの女子
やばいやばい!笑笑はやくいこ!笑笑
どうやら私の入っていた個室にバケツで水をかけたらしい。


もうどうしたらいいんだろ……
あなた

隼……

こんな時にいつも助けてくれるのはいつも隼だった。


でも教室に隼はいなかった。


隼……助けて……

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