~小森隼~
最近あなたの様子がおかしい。
おかしいっていうか……前よりも毎日楽しそうにしてる。
好きな人でもできた……?
もしかして亜嵐とか?
しかも今日は急に体調が悪いって……
元気そうにしてたのに。
どうしたんだろ……
放課後に俺はあなたを保健室に迎えに行った。
でも俺が保健室の前についた時には他のやつが保健室に来てた。
あなたと話してた。
俺は保健室に入れなかった。
その会話をずっと聞いてた。
あなたは泣いてた。
登坂先輩はあなたのことが好きだった。
あなたも……登坂先輩のことが好きだって……
泣きそうになった。
みんなは男が情けないって思うかもしれない。
でも……
俺はずっとあなたのことが好きだった。
なのに気持ちを伝えられなかった。
伝えたらこの関係が終わってしまいそうで怖かった。
俺は聞いていられなくなり、下駄箱に向かった。
すると……
声をかけてきたのは登坂先輩の親友の岩田先輩。
俺は岩田先輩に相談することにした。
二人で学校の近くのカフェに入った。
なんだか気分が乗らない。
今にも涙が溢れ出そうだった。
岩田先輩のおかげで前を向けた。
絶対あなたに気持ち伝える。
それで付き合えなくても気持ちを伝えられるだけでもいい。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。