学校の帰り道、高校2年の僕____碧井美月はそんなことを考えながら帰路を辿っていた。
僕は、虐められてる。
理由は分からないけど、高校生にもなってこんな事する人いるんだなって思った。
高校生にもなってやっていい事とやっちゃダメな事の区別もつかない馬鹿ってほんとにいるんだなって思った。
部屋に入って、いつもは虐めなんてどうでも良くなるのに、今日は怪我が痛すぎてそんな余裕はなかった。
一通り自分で手当てしたあと、ベッドにダイブする。
初めてこんな事を思った。
親戚から虐待を受けてた時も、こんなことは考えなかった。
むしろ無だったから。
好きなキャラがいても、毎回こんな調子だと、流石に気が滅入る。
僕はそのまま、寝てしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!