目が覚めて、今何時だろ、とまだ少し眠い頭を働かせながら周りを見渡す。
見慣れない景色(というか外)。
冷たいコンクリートの地面。
目をぐしぐし擦ってもう1回しっかり見てみるが、変わらない景色。
と、内心少し焦りながら周りを注意深く見てみると、僕のスクバがあった。
中身は…………………………
教科書やノートは入れっぱなしだったのに、それがない。
入っているのはスマホ、財布、(何故入っているのか不明な)ヒプノシスマイクのガイドブックだけだ。
一応財布の中身も見てみたが、財布の中身は変わっていなかった。
小銭とお札とポイントカードやらキャッシュカードやらなんやら。
とりあえずホッとした。
視界に広がるのは港。
僕東京にいたはずなんだけどなぁ…………。
なんか港見てヨコハマ思い出すの僕だけかな?←
とりあえずここがどこなのか、少し散策しよう。
そう思い、立ち上がって歩く。
歩いていくと、港を出て街に出た。
高いビルばっか。
でも高いビルのすっごい奥には森がある。
何処かで見たことがある気がする…………。
でもまだ思い出せない。
なんか人だかりが出来とる。
人だかりが出来ていたのはビルによくついているモニター。
なんかこの世界のことについて分かるかも…………!
そう思い、人だかりに近づきモニターの音声が聞こえるところに移動した。
すると
『先日行われたディビジョンラップバトル、優勝は我らヨコハマ・ディビジョン、MAD TRIGGER CREWでした!』
………………………ん?
今すごーく聞こえちゃいけないことが聞こえた気がした。
空耳かもだしもう1回よく聞いてみよう、うん。
『いやぁ、最近凄いですね!MAD TRIGGER CREW!』
『そうですね。特にリーダーの碧棺左馬刻さん!彼の暴力的なリリックは日々進化していっていますね!』
その音声と共に流れる、MAD TRIGGER CREWの3人。
嘘、マジか。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!