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第1話

コーンポタージュ
「「 あ 」」

たまたまだった

多分何千分の一ぐらいの確率で

だからといって

きっと何の意味もないもので

運命なんか、そんなものじゃない

「彩希…」

「優希…」

「ひさしぶり」

「うん、ひさしぶり」

「………」

「駅、一緒だったんだね」

「ああ、乗り換え多いし」

「ね」

幼なじみ……というか中学のときの元彼

中2のとき引越しで別々の学校になった

引越しはずっと前から決まってるものだった

それを1ヶ月前に言った

黙ってたことを攻めた

それからギクシャクしていった

別れの日に近づく程、糸が絡まっていくように

結局、遠距離は良くない、なんて適当な理由つけて別れた

本当はもっと深い理由があることはお互いわかってた

別れの日が来ても言わなかった

言わなかった、というより言えなかった

連絡先は交換してたけど

連絡することはなかった

履歴を見返せば見返すほど傷口をえぐるようだった

申し訳なかったけど連絡先は消した

それと同時に付き合ってた1年間も消そうと思った

でもそんなこと簡単に出来なくて

3年も心の奥底で引きずってた

そんな関係で

もう二度と会うことはないだろうと

思ってたのに

お互いの乗り換え駅のホームの端の自販機なんかで会うなんて

何となく飲み物を買おうと思って

いちばんレパートリーのある自販機にきただけなのに

3年ぶりに会うなんて

「……どこの高校に行ってるの?」

「×××」

「じゃあ○○駅?」

「ああ」

「……」

会いたかった

会いたかったけど

会いたくなかった

いざ会うと

やっぱり会わなくても良かったと思ってしまう

でも心のどこかで引っかかってた

奥底にきっと好意が溜まって

今でもすこし残ってると思う

それをとる方法を3年も考えてた

「このコンポタージュ、最後にコーンが引っかかる」

「奥の方に溜まって」

「すこし残っちゃって」

「それをとる方法を考えても、」

「思いつかないしできなくて」

「…最初から頑張って、そうならないようにしてれば後悔しないかもしれないけど」

「気づいたら、手遅れになってる」

「………コンポタージュの話?」

「え?うん、そうだけど」

「いや、なんでもない」

「そう」

「……」

なんでコンポタージュの話で盛り上がったのか

自分でもよくわからない

「私、隣のホームで友達待ってるから」

「そうか」

「うん、じゃあね」

「さよなら」

最初から頑張って、そうならないようにしてれば後悔しないかも、か

その通りだったかもしれない