あの頃は…
私と勝利は幼馴染って言っても
最初は特に、今よりも全然仲良くなかった
どっちかっていうと聡の方が仲良かった気がする
ただの隣に住んでいる幼馴染。
って感じの印象だった
小学生の頃 《過去》
小学校が終わり、下校している時
あなたside
はぁ~…
どうせ今日もママもパパも仕事で家いないし
おにぃもお姉ちゃんも友達と遊びに
行っているだろうし…
聡もどっか行くから遊べないって言ってたし…
家に1人かーー…
謎に大きい家だからなんか…さみしい…。
毎日のように私はずっと思っていた
あなたは華タウンにある公園のブランコに
座っていた
後から声をかけられた
そう思いながら振り返った
それが勝利だった
菊池家
それから私と勝利は一緒に遊んだ
そう言って勝利は窓から帰っていった
その日から勝利が隣にいるのは当たり前に
なっていった
現在
ガチャ
いつもどうり、窓から帰っていった
あなたside
いつもこの後ろ姿を見ていて私は
なんだかドキドキするんだよね。
小さい時から勝利は私が辛い時とか寂しい時に限らず
嬉しい時や楽しい時にも一緒にいてくれた
この窓を通じて
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!