窓から優しく差し込む光で気持ちよく目が覚める。
黒兎は私の彼氏。
私を好きになった男の中で唯一ちゃんとした男。
黒兎とは同居している。
最近黒兎の様子がおかしい。
毎日のように朝から出かける。
まるで私を避けてるような…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は軽く微笑んで彼を見送った。
わかってる。「遅くならないようにね」って言っときながら、夜遅くまで帰ってこないってことなんて。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カランカラン…
冬華は私の2歳上のいとこ。
「SNOW Flower」というカフェを営業している。
(名前は自分の名前を英語にしただけなんだって)
勘づかれたかな…?
(私は黒兎のことを冬華には話していない)
えっ、そっち!?
まあ気づかれてないからいっか。
やっぱ冬華といると嫌なことなんでも忘れられるからいいなぁ…
ずっと一緒にいたいくらい。
って、そんなの無理だけどねw
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇って言ったのはいいけど、話すことなんもない…
どうしよ…
ギクッ
え?なに?怖いって。なんか言って?
それから私と冬華は夕方まで話した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
冬華がうちに来たら気づかれる…
カランカラン…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガチャッ
あれ、電気ついてる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!