第74話

虫さんのいたずらライフ②
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2020/03/08 03:00
[りょう視点]

としりょう元恋人ドッキリをするとみせかけて、
俺がずっととしみつを好きだったっていう謎の
ドッキリを仕掛けることになった。

そして当日。とりあえずキスは確定らしいと
てつやが爆笑しながら伝えてきた。

虫さんは絶対バカだ。

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としみつ「うん、じゃあこの感じで、ここであなたちゃんが入ってくる感じなの?」

虫眼鏡「そう、僕がまたドッキリするから打ち合わせしようって呼び出してるから。」

としみつ「え、これで振られたらどうしてくれんの?」

しばゆー「あなたちゃんもとしみつにかけてるから怒らんやん。」

ゆめまる「としみつきにしすぎ。」

としみつ「そっか、いや泣かんかな。」

りょう「……。」


そう、ここでも俺は思い詰めたような顔をして
いる演技をしているのだけどとしみつは鈍感
なので気付かない。

迫真の演技なのに。

てつやが笑いを堪え過ぎて鼻の穴が広がってる
のを見てしばゆーが笑いを堪えるのを見ていると
俺も笑ってしまいそうだというのに。

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[当日]

最後の打ち合わせを終えてあとはあなたちゃんに
GOサインを出すだけだ。

[虫眼鏡:そろそろ来て!]







あなた「おじゃましまーす…。」

としみつ「…おはよ。」

あなた「あれ?2人?」


あなたちゃんが緊張して棒読みなのに
としみつも緊張して声が震える。

面白すぎて本当に笑いそうだ。


りょう「いや、話とかないといけないことあってさ。」

としみつ「いや、いいやん。言わんで。」

りょう「…言っとかないと後悔するやん。」

いやとしみつ演技派だったはずなのにどうしたんだ。彼女を前にするとこうも違うのか…。

あなた「何?教えてよ。」

あきらかに棒読みな2人。これは絶対棒読みすぎってテロップ入るな…。

りょう「いや、俺ら付き合っててさ…。前なんだけど。高校とかそれくらい。」

あなた「え……。」

としみつ「なんで言うの?俺は言わんでいいって言ったやん。」

あなたちゃんが悲しそうな顔をするととしみつにスイッチが入ったみたいで本気で怒り出した。

りょう「2人と今後気まずくなりたくないから言おうって話したのに今更何言ってんの?」

としみつ「いや…。あなた、違うからそんな悲しい顔せんで?こっちきて、隣座って。」

あきらかに動揺してオロオロするとしみつを見てあなたちゃんがまたごめんねって顔をしてる。

りょう「いや、俺本気なんだけど。」

としみつ「は?」

りょう「好きだよ、今でも。」

としみつ「何言ってんのまじで。」

りょう「そのまんまだよ。ドッキリとかじゃない。好きだからいくとじゃなくて俺がやりたいって言った。」

としみつ「え?なに?どういうやつ?」


…どうしよう、天然すぎて伝わらない。


あなた「…ドッキリなの?これ。」

としみつ「いや、えっと、」

りょう「元々はね。でもそれは今置いといて。俺がとしみつ好きってことを今伝えたい。」

あなた「…。」

としみつ「何言ってんの?あなた困ってるがや。もうネタバラシしよ。このネタはボツにしたらいい。」

あなた「どういうこと?」

りょう「だから今言ってんのはドッキリじゃないから。俺、としみつのことずっと好きだったんだよ。」

としみつ「いやそれは嘘やん。高校の時の[自主規制]とかこの前だって[自主規制]〜…。」

りょう「待って待って待って、それはダメだとしみつ。」


…笑ってしまった。


虫眼鏡「ドッキリです!!!!」

りょう「ごめんねとしみつ。」

てつや「りょうの性事情彼女の前でバラすな。笑」

ゆめまる「りょうくんそんなことしてたの?」

しばゆー「そんな顔せんで、としみつ。」


としみつ「え?なに?」

あなた「ごめんね、つーくん。」

りょう「俺がとしみつずっと好きだったドッキリなのに仲良すぎてドッキリ失敗したってことだよ。」

としみつ「は?え、またあなたちゃん仕掛け人?」

あなた「本当にごめんね…。」

としみつ「ビビった〜…。悲しい顔するから。どうしようかと思った。」


…いやとしみつ彼女に甘すぎだろ。

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