[あなた視点]
「やっとついたー!」
そう言ってつーくんにカメラを向けると嬉しそうに笑った。
旅館はてちが事前にもしかしたらカメラで撮ったりするかも…って言っててくれたみたいで館内と自分たちの部屋なら撮っていいって言われた。
てち、意外と出来る男かもしれない。
元々食べ歩きと室内だけ撮るつもりだったから2人で館内にあるおみやげ屋さんとかを見ててち達にお土産を選ぶ動画も撮った。
ある程度目星をつけてお風呂前に外出して色々回ろうってことでぶらぶらと外を歩いた。
旅館が可愛い色浴衣を選ばせてくれた。
あなたは白地に緑色の帯を選んで、つーくんは濃い緑に黒い帯を合わせてた。
あなた「メンバーカラー?」
としみつ「んー、あなたちゃんが緑の帯選んだからさ、全部同じ配色はきもいやん。だから軽く同じにした。」
あなた「大丈夫?これ世に発信するんだよ?」
としみつ「忘れてたわ!」
少し恥ずかしそうに笑うつーくんが可愛い。
あとなんか、普段見ないからか浴衣ってドキドキする。
いつもなら色浴衣のデザインとか旅館の設計とか家具配置とか、色合いとか、色々気になるはずなのに今は仕事のことなんて考えられない。
気になるのは隣にいるつーくんがどんな顔して笑っているかだけだ。
浴衣から見えるブレスレットが愛おしい。
やっぱり箱根でも声をかけられたりするけど、今日のつーくんはご機嫌だからずっとニコニコしてる。
でも、時々浴衣を着た女の子と写真を撮ってるとなんとなくもやもやする。
そこ、私の場所なんだけどなぁって。
仕方ないんだけど。
としみつ「妬いた?」
あなた「全然?私もかっこいい男の子と写真撮ってこようかなぁー。」
としみつ「だめ。怒る。」
いつもよりハの字になったつーくんの眉毛を見ると笑ってしまってさっきまでのもやもやが飛んでしまう。
ご飯があるからあまり食べ歩けないねって言って
雑貨屋さん中心に回った。
ここでもやっぱり東海オンエアの話になる。
あなた「ねぇ!これはしばちゃん!」
としみつ「さすがにしばゆー好きそう。笑」
としみつ「うわ、これゆめまるが言ってた酒かな?」
あなた「どれ?あ、これ有名だよ。買ってこうか!」
あなた「あー、これはりょうくんだ。イタリア。」
としみつ「箱根にイタリア感じることある?」
としみつ「虫のガラス細工あるやん。」
あなた「これもお土産だね。」
あなた「てちはなんでも喜びそうだからなんでもいい気がしてきた。」
としみつ「いや、雑かよ。笑」
いく先々でメンバーの話になって、名前でない人がいないことにメンバー愛を感じる。
なにより楽しそうに話すからこっちまで楽しくなる。
としみつ「そろそろ帰って一旦お風呂はいってご飯食べよ!」
あなた「うん!」
まだ少ししか歩いてないはずなのに、時計の長針は3週してたみたいだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!