[としみつ]
プレゼントを後ろ手に持ってあなたちゃんの家に行った。
あなた「わ!こんな早く帰ってくると思わなかった!」
前髪をあげて眼鏡をかけてPCをいじっていた。
としみつ「仕事中だった?帰る?」
あなた「帰んなくていいよ。笑」
としみつ「あのさ。」
あなた「待って!」
あなたちゃんがニコニコとして寝室に入っていった。前髪でも直すのか。
寝室に入った隙にソファに座ってネックレスをパーカーで隠した。
あなた「なんでもない日のプレゼントでーす!」
袋の中には綺麗にラッピングされたベルトとブレスレットが入っていた。
思わず笑ってしまった。
同じことを考えていたのか。
鼻歌もこれを隠してたからだったんだ。
あなた「え、なんで笑うの?持ってた?」
としみつ「これ見て。」
あなた「なにこれ!」
としみつ「なんでもない日のプレゼント。歌ってたでしょ。トリセツ。」
あなた「……聞こえてたの?」
としみつ「うん。笑」
あなた「タイミング被っちゃったね。笑」
としみつ「仲良しだから仕方ねーな。」
あなた「仕方ねーな。」
としみつ「来月のデート、お互いプレゼントつけていこうか。」
あなた「うん!」
嬉しそうにプレゼントを抱きしめてまた寝室に入っていった。
あなた「明日お外で会議だから朝出る前に付けてくれる?」
としみつ「いくらでも付けてやる。俺のベルトとブレスレットもつけてくれる?」
あなた「ベルトは自分でやってよ。笑」
いつもより少しだけ照れて笑うあなたちゃんが本当に可愛かった。
明日の撮影前にサブチャン回してもらお……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。