ライブハウスでの冬和、いや、FUYUのライブ。
私は最前列で応援をしていた。
♪〜
久しぶりに再会したキミは
前よりももっともっと可愛くなっていて
僕はまた君に惚れ直したんだ
ちょっとした仕草でさえ
可愛いと思う僕は病気なのかな
他のことはどうでもいいほど
僕はキミに惚れている
好きなんだ 好きなんだ
キミはどうだろう
♪〜
いつも通り可愛いキミを
前よりももっともっと好きになっていて
僕の思いは底なしなんだね
ちょっとした会話でさえ
嬉しいと思う僕は病気なのかな
他のことはどうでもいいほど
僕はキミに惚れている
好きなんだ 好きなんだ
キミはどうだろう
涙が溢れて止まらない。
最後に私に向かって冬和がふっ、と笑ったのに胸がきゅんとなって、涙がまた流れた。
***
しょうがないというように私の体に腕を回す冬和。
そんな冬和が私は好きだ。ずっと好きだったんだ。
言葉にしなきゃ伝わらない。
だから私は涙を拭い、
冬和の胸に顔をうずめた。
恥ずかしくて仕方ない。
今の顔はきっと真っ赤。
こんな顔、冬和に見せられない。
離れていたぶん、知らないこともたくさんある。
これから知っていけばいいよね。
きっと離れていたからこそ、自分の気持ちの大きさに気づくことができた。
きっと、私たちは大丈夫。
これからはもう一生離れない。
Fin。・:+°
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!