さっきテオくんと約束をした。
だから気分がいいの!!
テオくん、笑ってくれたし……
その日はなぜかテオくんは『ばいばい』と言った。
最初は気にならなかったんだけど、
違和感を感じて動いていた足を止めた。
テオくんが居なくなってしまう。
そう思った。
振り返ってテオくんに伝えなきゃ……
テオくんはそこにはもう居なかった。
森の奥の方へ行ってしまったのだろう。
そう、自分に言い聞かせて家に帰った。
帰り道、綺麗な夕日を見た。
テオくんは見ているのかな?
あ、森の中じゃ見えないか。
笑ってるのに、
笑いたいのに、
なぜだろう。
涙が止まらないんだ。
テオくんが頭の中で笑ってる。
すごく幸せそうなんだ。
輝いてる。
お日様みたい。
なのに、なのになんで?
テオくんが笑う度に涙が溢れるんだよ。
テオくんが消えちゃうなんて、
ただの勘なのに。
なんでこうも感情的になるのかな?
俺は夕日に照らされながら泣いた。
周りに人は居なかった。
家に帰る前に目の腫れを治さなきゃな。
気を紛らわすように心の中で呟いた。
自分の頬を叩いて立ち上がった。
大丈夫。
約束したんだ。
テオくんを信じよう。
不安になったらダメだよ。
らしくない。
俺は海に向かってそう呟いた。
大丈夫、
テオくんは嘘をつくようなやつじゃない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。