第8話

カフェ
45
2017/09/29 12:41
変な転校生に絡まれたせいで光汰を待たせてしまった。早く行かなくては。
光汰
光汰
お、やっと来たか。
未希
未希
ごっめん!変なヤツに絡まれとったん。
光汰
光汰
変なヤツ?誰?
そうだ、光汰は何かと過保護なんだ。こういうことは言わなければ良かった。
未希
未希
別にヤバいヤツじゃないから大丈夫!帰ろ?
光汰
光汰
おう。






いつも通り、継ぎ接ぎだらけのコンクリートを歩いている。曲がり角に着くと、光汰が家と反対方向に行こうとした。
未希
未希
あれ?光汰、道こっちやよ?ついにボケたか?
光汰
光汰
ちげーよ。それはお前だろ?
未希
未希
何ぃ?ってか、ガチでこっちやよ。
私が間違っているのか?少し疑問を抱いてしまう。光汰が間違えることなんて滅多に無い。皆既日食が起こる周期くらいに珍しいことだ。
光汰
光汰
分っとるわ。

それより、駅前にカフェ出来たが知っとる?
未希
未希
うん。この田舎によく出来たよね。
光汰
光汰
そこ行かね?
光汰が誘ってくれた。これは金環日食の周期くらいに珍しいことだ。
未希
未希
行く!!
行かないという選択肢は元より無い。










お洒落な外観の店のまえに立つ。水色と茶色のストライプ柄が可愛い。今時よく言う、"インスタ映え"というものか。
光汰
光汰
けっこう空いてるな。
未希
未希
有名店じゃないしね。
そう。ここはチェーン店という訳では無く、あくまで個人で経営しているというのだ。というのも、ここに来るまでに光汰から聞いたのだが。
光汰
光汰
入るぞ。
未希
未希
わー、何か緊張!うん。入ろっ!









店内も小洒落た雰囲気が漂っている。聞き覚えのある、最近の恋愛ソングが控えめに流れている。
光汰
光汰
何食う?
未希
未希
んー…じゃあ、パフェ?
光汰
光汰
あっ、俺もそれ食べたい。あとパンケーキも食べたいからさ、一緒に食べねえ?
未希
未希
うん。パンケーキはやっぱ定番やよね。
光汰
光汰
よし。店員さん!
実は光汰、類を見ない甘党なのだ。他の人には隠しているらしい。







.
店員
お待たせいたしました。
鮮やかな色のパフェが届いた。
未希
未希
んまぁ♡
光汰
光汰
やっぱり店のもののパフェは違うな。
光汰は、実はただの甘党という訳では無く、お菓子作りも得意なのだ。だからパフェとかもたまに作ってくれる。店にも負けず劣らずの出来だと思うが。
未希
未希
何かさ、光汰って、女の子から『クールでかっこいい♡キャー♡』って言われとる癖にさ、超甘党やし、全然クールじゃないよね。
光汰
光汰
それはそれで何か腹立つけど…。そんなクールとか…誰言っとるんよ。
未希
未希
まぁ、雰囲気はそんな感じよね。
光汰
光汰
どーでもいい。ってか、今日は別件で。
だろうなとは思った。さっきも言ったように、光汰から誘って来るのは本当に稀なのだ。
未希
未希
なぁに?何か話でも?
光汰
光汰
あぁ。お前のあのことについて。

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