第11話

核心
39
2017/11/10 11:43
龍馬
龍馬
未希ー!
聞き慣れない声が後方から聞こえた。

誰かと思って振り返ると、日本人にしたら明るい髪色の転校生が笑顔で手を振っている。龍馬だ。
未希
未希
何?
龍馬
龍馬
え、何か冷たくない?
冷たくしたから仕方ない。そう思うが、口には出さないでおこう。極限こいつとは関わりたくない。坂本の龍馬に似ているからだ。
未希
未希
用件を30字以内で的確に述べよ。
龍馬
龍馬
とにかくその文字数では無理だから放課後話せる?
30字以内で返答して来たから良しとしよう。
未希
未希
分かった。
さっきも言ったが、こいつとは極限関わりたくない。そしてそろそろ予鈴が鳴るから教室へ向かいたい。

私は教室に向かって足早で歩いた。
龍馬
龍馬
…あれ?去って行くの?未希さん?
いい加減にしてほしい。切実にそう思う。
未希
未希
まだ何か用?
龍馬
龍馬
いや?一緒に教室行こーよ。同じクラスなんだからさ♪
なぜこの距離で一緒に行かなくてはいけないのか全く意味が分からないが、面倒臭いから行くことにしよう。
未希
未希
じゃあ行こ?早く。
龍馬
龍馬
お、おう!











ー放課後
光汰
光汰
未希ー。帰るぞ。
今日は光汰の部活が無い日だった。

何故あんなヤツの為に、折角光汰と帰れる大切な放課後を犠牲にしなくてはいけないのか…。今朝、承諾した自分を恨む。
未希
未希
ごめん!龍馬に何か話あるって言われて…。
あぁ、龍馬と話したくない。普通に光汰と帰りたい。このまま帰ってしまおうか。
光汰
光汰
龍馬?誰それ?
未希
未希
転校生。ごめんね。先帰ってていいから!
光汰
光汰
分かった。
できるだけ早く終わらせよう。そして中学で鍛えた脚力で光汰に追いつこう。
未希
未希
ほんっとごめん!!
光汰
光汰
なーん。いいちゃ。











.
龍馬
龍馬
やっと来た。
あぁイラつく。何だろう。
未希
未希
さっさと終わらせてね。
龍馬
龍馬
はいはい。なんか未希に嫌われてるなぁ。
わざわざ時間を割いて来ているのにその態度…。これは帰ってもいいということだろうか。
未希
未希
早く。
龍馬
龍馬
すみません。じゃあ、単刀直入にいくね?
未希
未希
はいどーぞ。
最初からそうしてくれれば良いものを…。
龍馬
龍馬
未希って、前世の記憶とかあったりする?
未希
未希
え?

プリ小説オーディオドラマ