毎度ありー、おっちゃんの声が響く店を出る。
やはりそうくるよな…。アイス奢られても知りたいもんは知りたいし。仕方ないだろう。
しかし、どこから話せばいいのか…。まさか、『あいつ、前世の記憶のこと探ってくるんやけどー』なんて言えないし。
そんなこと言ったら、また誰かに聞かれるかもしれない。それは避けねば。
察してくれ!
そうそう!全力で頷く。やはり光汰は理解が早い。さすがだ。
けっこう思い切り言ってしまった。誰もいないよなぁ?
いつも冷静な光汰がここまで動揺するなんて。無理もないが。
やはりそうだよな。素直に返事して、長いアイスを食べる。少し溶けてきたのが気になる。
年頃の男女が親のいない家に2人きりなんて…!と思った人、安心してください。100%あり得ないから。
ほら溶けてきた。このアイス長いんだから。でも、この時期にこれはいらないな。寒っ!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。