第4話

でっかい楽器
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2017/08/23 12:37
「んじゃ、かおりちゃんは、チューバをお願いね」
先生がパソコンに向かいながら私にそういった。
「わかりました。」
前やっていった楽器とは全然違うのでちょっと楽しみだ。

練習をしている被服室に行くともっさりとしたそれなりに身長の高い3年生がいた。私はその人を知っていた。
「よろしくお願いします。松田かおりです。」
「あ、俺はらいむ」
「知ってます」
「あっ、小学校で一緒だったね。んじゃとりあえずマウスピースで音出してみて」
「はい」
ブゥ〜と音がなる。
「うん、そんな感じ」
少し苦しかった。

「んじゃそろそろ楽器でやるか」
マウスピース楽器につけて楽器を持ち上げた。らいむ先輩が詳しく持ち方を教えてくれた。
吹いてみる。指はわかっていたので、ドの音を出してみた。
ブゥ〜と低い音がなる。
やばい!なにこれ!なんかわかんないけど楽しい!
とその時、周りにいた先輩たちが、
「え、いきなりB♭とかやばくない!」
「らいむ、これしたのB♭だよね!!」
「うん、俺よりセンスあるかも」
んん、なんだろ、なんかすごく嬉しい。
「みんな〜、かたずけて〜」
部長さんが呼びかけている。
前の部活に挨拶してたからくるのが遅くなって、吹く時間が少なかった。

明日からいっぱいチューバが吹ける。
私はすぐにチューバのとりこなった。

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