「うわ〜、人いっぱいだね」
『美味しいって評判で人気の店やからなぁ、しゃーないわ。』
「めっちゃいい匂い〜」
『あと30分くらい並ばなあかんなぁ。
どうする、今日帰るか?』
「30分ならへいきだよ!
しかも、流星が行きたいって言ったんじゃん(笑)」
『そっか、ごめんな』
「いいよ、いつもの事だし」
『そやな、(笑)
あ、喉乾いたよな?なんか飲みもん買ってくるわ!』
「え、いいの?ありがとう!」
流星、遅いなぁ…
なにしてるんだろ
道に迷ってるとか?(笑)
“すみません、××ってどこか分かりますか??”
「えっと、××なら、この道をまっすぐ行って2つめの角を右に曲がれば見えると思いますよ!」
“ありがとうございます”
「いえ!お役に立ててよかったです!」
『遅なってごめん!』
「もう、ほんとに遅いよ〜。」
『ごめんごめん、でっかい荷物持った婆ちゃんおってさ、素通り出来ひんかってん』
「ふふ、流星らしいね、」
『なんやそれ、(笑)』
《お次の方、どうぞ〜》
ガヤガヤ…
「流星、どれにする?」
『俺は〜、これ!』
「じゃあ私はこれにするね、」
「そうだ、さっきね、知らない男の人に道聞かれたんだけど、めっちゃイケメンだったの!」
『へぇー、俺より?』
「んー、流星と同じくらいかな!すっごく優しそうな人で、でも流星よりは小さくて、私、あの人がタイプかも〜」
『うわ、俺を差し置いて。ほんま自分最低やなぁ、(笑)』
「そーゆーんじゃないよ!(笑)
ほら、そんな顔したらイケメンが台無しだよ〜」
《お待たせいたしました。××でございます》
「ん〜、美味しすぎてほっぺがとろけそう〜」
『ほんまに、めっちゃ美味しいな!
よかったわ、来れて。
付きおうてくれてありがとうな!』
「いいよ、流星の奢りだし。
また誘ってね?(笑)」
『俺の奢りで、やろ?(笑)』
「大正解」
『お前ってやつは。』
『帰ろか、もう真っ暗や。』
「そうだね、」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!