第6話

来客者
5,533
2017/09/10 09:35
【健人side】

次の日、
アラームが俺の快眠を邪魔した
朝のニュースがやってる時間帯
俺は例のモニターを見上げる
そこには体育座りしたあなたの姿が

どんだけ可愛いんだよ、
呟きながら地下室へ向かう

「おはよ、よく寝れた?」
あなたはふいっと俺から目をそらした
昨日のことを気にしているみたいだ

「怒ってるの?」
あなたは小さく首を縦にふる
どうやらご立腹のようだ
でも俺と一緒にいる以上
ああいうことは慣れてもらうようになるんだけど

「ごめんね、俺のこと嫌いになった?」
今度は首を横に大きくふった
好きだよ、そう呟き俺のほうを向いた
その姿が愛おしすぎて
また昨日みたいにしたくなる
そのとき雑音が響いた
俺のスマホの着信音だ
画面をみると【風磨】の文字

「はい、もしもし」
〈もしもし?あのさ今から中島のうち行くから〉
「え?はいはい」

電話を切るとあなたが不安そうに俺のほうをみた
菊池がくることを伝えた
あなたの顔が少しほころんだのを
俺が見逃したわけがない
嫉妬で腹を立てていると家のチャイムがなった

菊池を家にいれしばらくしたとき
俺のスマホが再び声をあげた
マネージャーからだった
急な仕事が入ったので来て欲しい、
とのことだ
菊池にゆっくりしてけと伝え
渋々家を出た

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