こめかみを抑えて呻いているくにっきーを横目に、遊園地の案内図を拡げる。
流石に傷付くぞくにっきー!
今日一日で私の女としての魅力を見せ付けてやる!
如何やろうかは考え中!
うん、如何しよう!?
恋人はあだ名で呼び合うものです!
ねェ何で死にそうな顔してるのかな
わしゃわしゃっ、と頭を撫でてあげたら、思いっ切り睨まれた。
扶けてナオミちゃん、
恋人を見る目じゃないよ、親の仇を見る目だよ…
任務なのです。
其うでなければ、硬派…
否、恋愛下手のくにっきーが逢引で遊園地になど来ないだろう。
実は今日、
「此の遊園地の中で密輸業者同士の密売が行われる」
という情報を掴んだ。
其れで、あたかもらぶらぶ♡でえと中の恋人を装って潜入することになったのだが…
人選ミスだと思う。
乱歩さんと与謝野さんの方が絶対佳い感じの恋人に見える…!
ちなみに私達が選ばれたのは太宰さんのお遊びです!
嬉嬉として指差した私。
其の指の先を見て、国木田さんは顔を引き攣らせた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。