第11話

【11】
21,153
2017/08/25 15:48
あなた

確かに...そうかもしれません。

太宰治
太宰治
やっぱりそうか
あなた

やっぱり...?

変に居心地が悪くなって訪ね返す。

その途端、不吉な音がした。

音の発生源の頭上を見やると、
植木鉢…らしきようなものが
落下してくるのが視界に入った。



今日はよく物が落ちてくる日だなぁ
太宰治
太宰治
偶然にしては出来すぎている。
そう思わないかい?
ポンッと太宰さんが私の肩に触れた。

太宰さんへと意識が移った瞬間に、
何かが砕け散るような音が辺りに響き渡る。
自分の意識が、太宰さんから引き剥がされ、壊れた植木鉢へと吸い寄せられた。

違和感を覚える。
あなた

あれ...?
今迄なら十中八九直撃だったのに...?

私からほんの少し離れた所で無残な姿へと変わり果てている植木鉢と、太宰さんの横顔を見比べる。

上から落ちてきたものが、
私の頭上に来ない事なんて、無かったのに。
あなた

これは、どういう...?

太宰治
太宰治
流石に今ので君も解っただろう?
私が何を言いたいのか
あなた

まァ...おそらくは

つまり、
長い間私が悪運体質だと思っていた之は__
太宰治
太宰治
...君の異能力だよ、あなたちゃん
.........なんてこった。

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