第74話

【58】
11,946
2018/05/24 08:59
樋口一葉
樋口一葉
…は?やめた?
結局話すことになりました。

だって、私、嘘とか苦手だもん…!
ついても直ぐバレるンだもん!

うん、正直が一番です。
アドリブが苦手なんじゃなくて、わざと!
わざとだし!!
樋口一葉
樋口一葉
何とか言ったらどうですか
あなた

わざと!

樋口一葉
樋口一葉
…はい?
あなた

何でもないよ、ひぐっちゃん!!

樋口一葉
樋口一葉
だから、その呼び方やめてください
はぁ、と溜息をひとつ。
ひぐっちゃんは、
樋口一葉
樋口一葉
…其れで?この後どうなさるおつもりで?
と言った。
あなた

どうなさりましょう

樋口一葉
樋口一葉
いきあたりばったりですか。
あなた

今まで其うやッて生きてきましたから!

貴女は分かっていません。
そう、彼女は静かに答えた。
樋口一葉
樋口一葉
マフィアと繋がりが出来て仕舞った以上、以前までの生活には戻れないンですよ?
あなた

う…ん、まァ、そうなんですけど…

樋口一葉
樋口一葉
“武装探偵社”という名刺がどれ程貴女を守っていたのか、理解しておいでで?
理解はしてる、つもりだ。
樋口一葉
樋口一葉
…馬鹿ですね。
目の前の甘味をつつきながら、彼女はそう言い放った。
あなた

自分が馬鹿な事くらい、分かってます

樋口一葉
樋口一葉
阿呆ですね。
あなた

馬鹿も阿呆も多分変わらないよ…?

探偵社は、貴女が思う程に弱くはありません。
ぽつりと呟かれた言葉。酷く胸を揺する。
樋口一葉
樋口一葉
不運がなンですか。そンなものは日常です。そして…探偵社も我々も、其の程度で貴女を見放したりなどしない
あなた

……ヤヴァイ、ひぐっちゃんがイケメン

樋口一葉
樋口一葉
私、真剣に話してるんですけど
あなた

ごめんなさい、銃は仕舞おう危ないからね!

胃もたれしました、厠に行ってきます。これは貸しですよ、とひぐっちゃんはお花摘みに。

何か私は彼女に借りを作ったのだろうか…?

───── ッていうかひぐっちゃん遅い。
え、…べんp((((((((
中原中也
中原中也
…電話一本で俺を呼び出すたァ、佳い度胸じゃねぇか。…で、何で手前が此処にいる?樋口は如何した
あなた

ぅあう、シャンクス…!何故此処に!?

私の携帯が小気味佳い音を重ねる。ショートメールだ。
…後はお二人で、と一言。

ひぐっちゃん、図ったな…!?
あなた

…ひぐっちゃんに逃げられました

中原さんは、心底嫌そうに…でも、あの時の敦くんと同じ瞳で。
中原中也
中原中也
何があった
と席に着いた。
樋口なりの考えだろうな、と漏らしながら。

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