結局話すことになりました。
だって、私、嘘とか苦手だもん…!
ついても直ぐバレるンだもん!
うん、正直が一番です。
アドリブが苦手なんじゃなくて、わざと!
わざとだし!!
はぁ、と溜息をひとつ。
ひぐっちゃんは、
と言った。
貴女は分かっていません。
そう、彼女は静かに答えた。
理解はしてる、つもりだ。
目の前の甘味をつつきながら、彼女はそう言い放った。
探偵社は、貴女が思う程に弱くはありません。
ぽつりと呟かれた言葉。酷く胸を揺する。
胃もたれしました、厠に行ってきます。これは貸しですよ、とひぐっちゃんはお花摘みに。
何か私は彼女に借りを作ったのだろうか…?
───── ッていうかひぐっちゃん遅い。
え、…べんp((((((((
私の携帯が小気味佳い音を重ねる。ショートメールだ。
…後はお二人で、と一言。
ひぐっちゃん、図ったな…!?
中原さんは、心底嫌そうに…でも、あの時の敦くんと同じ瞳で。
と席に着いた。
樋口なりの考えだろうな、と漏らしながら。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。