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第3話

巡り会うのです
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2017/08/25 23:37


週に1回の休日がやって来た
家を出る時間より2時間多く寝て午前中のうちにはカーテンを開け溜まった洗濯物を干し部屋に掃除機をかけスーツにわアイロンを掛けたりと休日の癖にやる事だらけで追われていた。
ようやく1通りやり終えて一息つく頃には夕方に近くて冷蔵庫を見ると食材を使い切ったせいか空っぽ。
家を出ようとした時携帯が鳴って画面を見れば彼の名前が表示された。
マホト
マホト
もしもし〜今平気?
あなた

うん、平気だよ。どしたの?

マホト
マホト
家の屋上で焼肉するんだけど来ない?
あなた

……えっ?!屋上?!

マホト
マホト
そう。ここ引っ越してから二ヶ月経つけどまだあなた来たことないな〜って思って。せっかくだし来ない?
あなた

あ〜うん。わかった。じゃあ行こうかな。準備したら行くね。

突然の誘いに驚いたが断る理由などない
彼に会えるし彼の新しい生活が見れるとなると嬉しくて仕方ない。
無駄に化粧して彼が褒めてくれるわけでもないくらいオシャレして準備をしてから地図で送られてきた場所に向かう途中スーパーでお肉を買った。
建物に着くと本当に屋上があるみたいで大きな家だった。
インターホンを押すと中からドタドタと足音が聞こえて誰かが来るのがわかる。
重たそうなドアが開くと笑顔でこっちを見る彼が出迎えてくれた
マホト
マホト
お疲れ〜、上がって上がって
きっと私この笑顔を貴方の彼女さんより多く見てる。彼も仕事があるし彼女さんも仕事があるからせいぜい会えて週に1回か2回だろうな。
そんな事を知ったらきっと高校生の時に出来た彼の彼女の時のように嫉妬され嫌がらせが来るんだろうな〜なんて思うけど止められない。
そんな事を思いながら玄関に入ると大量の靴が置いてありデザインから見ると彼の物だろう
「おじゃまします」と声をかけると奥の方から「どーぞー」なんて声が聞こえた。
彼が先頭を歩いて着いていくと広いリビングに着いて大きめなソファには4人の人が居た
まず驚いたのは髪の色。
そう言えば彼がよく「〜が何色に染めたんだよ」とかいらん報告をしてきた事があったな
唯一知ってるのは高校が一緒だったジンくんだけで私と目が合うとニコっと微笑んだ。
マホト
マホト
俺の中学からの友達のあなた。
もうこの«友達»というフレーズには聞きなれたもんだ。
いつかこの文字が彼女と変わることは無いのだろうかと夢見たこともあったがこれからの人生にそれがあるなんて1%も思えない。

あなた

初めまして、あなたです。

相馬さん
相馬さん
あ〜、いらっしゃい。
サグワ
サグワ
お〜!!親方から聞いてたよ!座って座って!!
ジン
ジン
うわっ。ちょー久々じゃん。
あなた

久しぶりだね、ジンくん。高校以来かな。

ジン
ジン
随分綺麗になったね。誰だか分かんなかった
へきほー
へきほー
凄い綺麗ッスよね!!
マホト
マホト
昔はガキだったのになぁ?w
ケラケラ笑いながら頭をポンポン叩くもんだから照れてその手を弾くと私が持ってたスーパーの袋を取りありがとうとお礼を言われた。
相馬さん
相馬さん
よしっ、じゃあとりあえずちょっと早いけど始めようか!
サグワ
サグワ
俺肉持ってくよ〜。
ジン
ジン
あなた酒飲める人?
あなた

あっ、うん。大丈夫だよ

そう言うと彼はまた優しく微笑んでくれた。
変わらないな、彼のその優しい笑顔は。

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