ミンミンと鳴り響く夏の蝉。
アスファルトの光が反射して俺は思わず目を細めた
「はー。あっちーーー」
隣で制服をパタパタとさせながらうだる
木葉さんに ですね、と相槌をうって歩く
木兎さんはというと
何が楽しいのかにこにこと笑いながら歩いていた
...***
校門前についた
「やっと ついた!!!」
そういって校門をくぐって走っていく木葉さんと木兎さんを追いかけて俺も小走りで校門をくぐる
(...さっきまでのテンションはどこにいったんだろう )
そう思いながら木葉さんの嬉しそうな顔を見ながら俺は額の汗を拭った
カンカン、とバレー部の部室がある階段を勢いよく登る木葉さんと木兎さん。俺もその後を追うように階段を登った
「チス!」
「オース!!」
「おはようございます。」
3人それぞれの挨拶をしながら部室に入ると
それにつられるように周りからたくさんの挨拶をくらった
「遅いぞ〜3人とも」
先輩や同級生、それぞれに挨拶を返しながら奥に進むと俺のロッカーの隣で小見さんがネクタイをゆるめながらそう言ってきた
「すいません」
そう言って謝ると反対側のロッカーに荷物を置いた木葉さんが今朝の木兎さんとの衝撃のことについて小見さんに助けを求めるように言った
「聞いてくれよ〜小見やん
今日朝から木兎からさ〜.........」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。